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GPIFの役割やポートフォリオ運用方針を解説
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投資の知識

GPIFとは?役割やポートフォリオ運用方針について解説

2023.05.26

証券コード

日本国内における公的年金を管理運用する組織としてGPIFがありますGPIFは巨大な資金を保有しており市場に対する大きな影響力を持っていることでも知られています

GPIFは市場に対して長期分散投資を行っており個人投資家としても参考にできる部分がたくさんあります本記事ではGPIFの役割や運用方針長期分散投資をすることの意義について解説します

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    GPIFとは公的年金の管理運用組織

  • 02.

    GPIFの運用方針とは

  • 03.

    GPIFの資産運用状況やポートフォリオ

  • 04.

    GPIFのような長期分散投資を行うメリット

  • 05.

    GPIFのような長期分散投資を行うデメリット

  • 06.

    投資に迷ったらGPIFの投資手法を参考にしよう

GPIFとは公的年金の管理運用組織

GPIFGovernment Pension Investment Fundとは厚生労働省から委託され日本の公的年金積立金の管理運用を担う独立行政法人のことです

日本の公的年金は世代間扶養という考えのもとで成り立っており現役世代の納める保険料が高齢者の年金へと充てられますこのうち年金の支払いに充てられなかったお金年金積立金です

GPIFは年金積立金を運用することで将来世代の年金を増やす役割を担っておりその運用額は190兆円機関投資家としては世界最大の規模を誇っています

GPIFの運用方針とは

GPIFの年金積立金の運用方針は長期的な分散投資が基本です年金積立金は国民の将来の年金給付に必要なお金であるためリスク管理を徹底したうえでの効率的な運用が求められるからです

 

長期分散投資は長期的に投資を続けることで収益を安定して確保し投資先を分散することでリスクを抑える方法であるため安全性の高い投資方法と言えます

 

長期的な資産運用では基本の資産構成割合を決定しそれを維持していくことによって良好な結果が得られる可能性が高いですそのためGPIFは基本的なポートフォリオ資産構成割合を定めておりその長期的な運用目標も明確に決められています

 

しかし長期分散投資を行っているとは言え投資はリスクが伴う行為です

GPIF100年先の年金給付を視野に入れて設計された年金財政の維持を担う組織であるためさまざまなリスクに備える必要があります

 

お金の価値が下がる場合に備えるためには少しでも管理している積立金を増やし国民が恩恵を受けられるようにすることが必要ですそのためGPIFは安全性を前提としつつ確実に資金を増やせるようにするという理由を掲げ長期投資を続けているのです

運用目標

GPIFの現在の運用目標は賃金上昇率+ 1.7と定められています目標値がこの数値に設定されている理由は年金財政の安定化が挙げられます

 

年金保険料から得られる財源とそこから捻出される年金の額は賃金の平均値が変わるごとに変動しますそのため年金積立金を運用することで得られた利益が賃金上昇率を上回れば年金財政の安定化が図れるからです

 

ちなみにGPIFが今のような運用を開始した2001年から2021年度までの累積の実質運用利回りは3.78目標を上回る数値で運用ができているようです

GPIFの資産運用状況やポートフォリオ

GPIFの資産運用状況は四半世紀ごとに開示されており現在は国内債券国内株式外国債券外国株式がそれぞれ25%ずつとなっていますまた日本を含む15の国地域へ分散して投資を行なっています

 

もともとは国内債券67国内株式11外国債券8外国株式9短期資産5%というポートフォリオ構成になっており株式の割合が合わせて約20%現在よりも安全性の高い構成で運用されていました

 

しかし第二次安倍政権下の2014年にポートフォリオが変更され国内株式と外国株式の割合が合わせて約50%とややリスクが上昇する構成になりこの比率は変更されないまま現在に至っています

 

一般的に債権の比率が高いとローリスクローリターンである一方で株式の比率が高くなるとハイリスクハイリターンになります

 

つまりGPIFでは安定的な長期運用という基本姿勢は続けながらリスクヘッジ重視の運用からやや利回り重視の運用に方針を切り替えたということでしょう

実際の運用実績を見てみると年度によってマイナスになることもあるものの2014年度は実質利回り10.53%2020年度は実質利回り24.62%それ以前と比べて利幅が大きくなっていっています

 

また21年間の累積収益額を見てみるとインカムゲインは着実に積み上がっておりキャピタルゲインは短期的に評価損となることもあれど長期的に見ると大きく増えているのがわかります

GPIFのような長期分散投資を行うメリット

GPIFのような長期分散投資を行うことで投資におけるリスクを低下させることができます

 

例えばオイルショックやリーマンショックなどによって市場株式の下落があった場合でもGPIFは国内債券に投資していたことでその影響を最小限に抑えることに成功しています

 

また購入した銘柄からは配当金や利子が入るため元本となる積立金に加算されますGPIFは長期投資による複利効果を得て市場の下降局面も乗り越えてきたのです

GPIFのような長期分散投資を行うデメリット

長期分散投資を行うことの問題点は銘柄の長期保有を重視することにより市場の動向に応じて銘柄を売却することができない点ですこれにより短期的には利益を得られる機会を逃すことがあります

 

莫大なお金を預かるGPIFの場合は銘柄の長期保有が必要ですが個人で投資を行う場合は市場の動きに合わせて株を売却することを視野に入れても良いでしょう

 

またただし先に述べたように投資先を誤ってしまえば大損害を受ける可能性もあるため投資先の選定には注意する必要があります

投資に迷ったらGPIFの投資手法を参考にしよう

GPIFは年金積立金の安定的な運用を重視した長期分散投資をしているためその投資方法はリスクを抑えながら投資の運用益を得たい投資家の参考になります

 

投資を始めたばかりの人はGPIFの投資方法を参考にしつつ分散投資の基礎知識を身に付けてみてはいかがでしょうか

情報提供:GPIFとは?役割やポートフォリオ運用方針について解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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