ETF（上場投資信託）は「Exchange Traded Fund」の頭文字をとった言葉です。日経平均株価やTOPIX、S&P500などの指数に連動するよう運用されている投資信託の一種です。

ETFは投資信託の一種ですが、一般的な投資信託との違いは、上場しているかしていないかです。

ETFは上場している投資信託のため、株式と同じように取引ができます。よって、売買価格の透明性が高く、リアルタイムでの変動や取引を行うことができます。さらに取引の自由度が高く、パフォーマンスの把握がしやすいのが特徴です。

ETFの種類は日経平均やTOPIXなどの日本株だけではなく、NYダウなどの米国株や中国株、ブラジル株をはじめとした新興国株などがあります。日本で取引可能なETFは、国内籍ETFと外国籍ETFの2種類あり、銘柄数は約280になります。

国内籍ETFは国内で組成され国内の金融商品取引所（東京証券取引所や大阪証券取引所）に上場しているETFを指し、全国の証券会社で取引が可能です。

外国籍ETFは海外で組成されたETFのことで、海外の取引所に上場しています。特定の証券会社であれば、国内でも外国籍ETFの売買ができます。

海外の取引所に上場しているETFを取引する場合、取引所がおかれている国の通貨で取引を行うため、為替リスクの考慮も必要です。

まずはETFのメリットを3つ解説します。

1つ目は、投資コストが低い点です。通常、投資信託を保有している間は「信託報酬」というコストがかかります。しかし、ETFの信託報酬は投資信託よりも低い点でメリットと言えます。

例えば、投資信託の中でも信託報酬が安いインデックスファンドの場合、信託報酬は0.39％ですが、ETFの場合は0.31%です。このように、投資信託よりもETFのほうが投資コストを安く抑える事ができます。

2つ目は少額投資ができるため、投資初心者でも始めやすい点です。銘柄によっては売買単位が低く設定されているものもあり、少額から始めることができます。リスクが少なく、初心者の方でも始めやすいのは大きなメリットです。

3つ目はリアルタイムで取引できるため、売買の自由度が高い点です。ETFは上場しており、取引時間中であればリアルタイムで売買できます。一方、投資信託の場合、取引できるタイミングは1日1回のみです。そのため、投資信託は大きな変動があった場合でもタイムリーに取引できません。

以上のようにメリットが多いETFですが、デメリットもあります。

注意点は大きく2点あり、1点目はETFは売買できる取引先が証券会社に限られているため、銀行での取り扱いがないことです。よって、投資信託と比較すると、口座開設や売買の手間がかかる場合があります。

2点目の注意点は、積み立て投資ができる銘柄が少ないことです。より多くの銘柄から投資する商品を選択したい方にとってはデメリットに感じるかもしれません。

ETFは投資信託の一種で、少額から分散投資ができる投資方法です。投資コストが低いことから、投資初心者にもおすすめです。しかし、投資信託よりも選べる銘柄や取り扱い機関が少ないことから、多くの銘柄から投資する商品を選びたい方には不向きの可能性があります。

このように、ETFにはメリット・デメリットがあるため、ご自身のライフスタイルや投資の目的に合わせてETFを利用してください。