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空売りのしくみや種類を解説します
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投資の知識

空売りとは?仕組みやメリット注意点をわかりやすく解説

2023.09.17

証券コード

投資に興味のある方であれば空売りという言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう
空売り信用取引の1つで信用売りに当たります
この記事では空売りはハイリスクが伴うのでは?信用取引ってちょっと怖いイメージだけど実際はどうなの?といった疑問にお答えします空売りのしくみや注意点を確認し信用取引についての理解を深めてください

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    空売りとは

  • 02.

    空売りのしくみ

  • 03.

    空売り信用取引の種類

  • 04.

    空売りのメリット

  • 05.

    空売りのデメリット

  • 06.

    信用口座を開設するための条件

  • 07.

    空売りをしっかり理解しておこう

空売りとは

空売りとは保有していない株式を証券会社から借りて売却決済期日までに売却した銘柄を買い戻しその差額が利益になる信用取引です

 

通常の株取引では株式の買い付けからスタートしますが空売りでは文字通り株式の売却からスタートする点に大きな違いがあります

空売りのしくみ

空売りのしくみを具体的な数字で見ていきます

わかりやすくするため各種手数料は除外して計算

A株を株価2,000円で100株を空売り

2,000円✖️100株=20万円

 

3ヵ月後A株を株価1,000円で100株買い戻し

1,000円✖️100株=10万円

 

20万円ー10万円=10万円

①の空売りで20万円が手元に入り②の買い戻しで10万円が出ていくため差額の10万円が手元に残り利益となるしくみです

空売り信用取引の種類

空売りは信用取引の一種です

信用取引では証券会社に現金や株式など一定額以上を担保として預ける=委託保証金ことで証券会社から取引に必要な株式や現金を借りて預けた金額以上の取引が可能となります

 

一般的に担保として預けた金額の約3.3倍の取引が行えるためレバレッジ効果で手元資金で投資する以上のリターンが見込める反面大幅なリスクも発生する可能性があります

 

信用取引について併せて関連記事をご覧ください

信用取引には制度信用取引と一般信用取引がありますそれぞれの特徴を確認していきます

制度信用取引

制度信用取引では信用取引が行える銘柄を証券取引所が一定の基準を設け上場銘柄の中から厳選しています

 

上場の廃止や業績不振など取引が行えなくなるリスクが限定的な銘柄が選定されているメリットがあります一方で6ヵ月の返済期限が設けられており空売りで借りた株式を買い戻し返済する必要があります

 

なお証券会社は投資家から空売りが入った際自社で必要な株数を用意できない場合日本証券金融株式会社日証金から株式を貸借していますしたがって空売りが可能な銘柄は貸借銘柄に限定されています

一般信用取引

一般信用取引では信用取引が可能な銘柄や期限などを証券会社が独自に決めています証券会社によってはデイトレードなど手数料を低く設定しているケースもありコストを抑えたい投資家に利用されている信用取引です

 

投資家に空売りの需要があっても当該銘柄が自社で用意できなければ空売りを行うことができないデメリットがあります

空売りのメリット

空売りには下記のような投資効果が期待できます

下落相場時でも投資ができる

株式の現物取引では買い付けたときよりも売却したときの株価が値上がりしていれば売却益を得られますつまり株価の上昇局面を狙って投資することになります

 

空売りは買い付けたときよりも売却したときの株価が値下がりすることでその差額が利益となるため株価の下落が予想される局面での投資が可能です通常であれば株価の値上がりを待つしかない環境が投資のタイミングとなるわけです

保有する現物株のリスクヘッジ

すでに保有している現物株の銘柄で空売りを行うことで株価の上昇局面では現物株には含み益空売りには含み損が発生します同様に株価の下落局面では現物株には含み損空売りには含み益が発生し相殺関係が生まれます

空売りは保有している現物株のリスクヘッジとして活用できる点がポイントです

空売りのデメリット

空売りのデメリットもしっかりと確認しておきましょう

相場上昇時の損失の拡大

現物株の場合保有銘柄が業績悪化による経営破綻などで上場廃止になった場合株価は暴落しますが現在ついている株価の範囲内で含み損が発生することになります

 

一方相場の上昇局面はいわゆる青天井株価は上限なく値上がりする可能性があります現物株では嬉しい相場の上昇局面が空売りでは含み損がどんどん膨らんでいく展開となるわけです

貸株料をはじめとする手数料がかかる

空売りを行う場合現物株にはないさまざまな手数料が発生します代表的な手数料を見ていきましょう

貸株料

証券会社から株を借りる際の金利です年率は1.1%前後で保有日数に応じて日割り計算が適用されます

逆日歩ぎゃくひぶ

制度信用取引において証券会社で空売りの株式を用意できない場合証券会社は日証金から株式を借りるため品貸料が発生しますこの手数料は投資家が負担し逆日歩と呼びます

 

逆日歩は空売りを行う際必ず発生するわけではありませんが毎日変動しているため注意が必要です銘柄によっても逆日歩の金額は異なります株式の取引量が少ない場合逆日歩は高くなる傾向があります

日証金の公式サイトでは逆日歩銘柄や最新の料率が確認できるため参考にしてみてください

配当落調整金

配当落調整金とは空売りを行っている銘柄で配当金が発生した場合に信用買いを行っている人に支払う配当金のことです権利確定日をまたいで空売りを行う場合は配当落調整金が発生することを覚えておきましょう

 

上記以外にも取引手数料や事務管理費といった費用も必要です信用取引の種類によっても手数料は変わるケースもあるため各証券会社のホームページで確認しておくと良いでしょう

6ヵ月の期限がある

制度信用取引により行う空売りには6ヵ月の期限が設けられています期限内に買い戻しができない場合は強制決済による買い戻しが行われることに注意しましょう

 

空売りを行った銘柄を現物保有している場合は買い戻しではなく同じ株数を差し入れて決済=現渡しすることも可能です

 

一般信用取引の場合は証券会社の信用取引の種類によって期限が変わってきますのでご確認ください

信用口座を開設するための条件

空売りは信用取引にあたるため取引を行うにあたって信用口座を開設する必要があります口座開設にあたっては各証券会社で審査が行われますどういった基準をクリアする必要があるのか確認しておきましょう

株式への投資経験

信用取引は自己資金以上の金額での取引が可能となる点や現物取引よりも損失が拡大する可能性がある点さまざまな手数料が発生する点など現物取引と比較してリスクが高い取引です

 

投資知識をしっかりと持っている投資家が行うことを前提としている証券会社が多く見られます

保証金の差し入れ

信用取引を行うにあたり委託保証金として最低30万円を差し入れる必要がありますまた空売りを行ったが予想に反して株価が上昇し含み損が発生した場合は追加で証拠金を差し入れ=追証しなければならないケースもあります

一定額以上の金融資産の保有

株価の動向によっては大きな損失を招く可能性があるため余裕資金で投資を行うことがセオリーとされています具体的な金額は明示していない場合も多いですが300万円以上の金融資産を保有していることを条件にしている証券会社もあります

空売りをしっかり理解しておこう

空売り信用取引現物取引と比較すると気を付ける点が多いと感じる方もいらっしゃるでしょう

 

事実予想に反して株価が上昇局面になった場合は損失が拡大し追証が必要となるケースがありますただ差し入れた証拠金に対して余裕を持った金額で取引を行うことで追証を避けることも可能です

さまざまな手数料も空売りの取引期間を短くすることでコストを抑えることができます

 

空売りについての理解を深めることはもちろん投資に関する知識の底上げや相場環境などの時事情報にも触れリスクと上手に付き合っていきましょう

情報提供:空売りとは?仕組みやメリット注意点をわかりやすく解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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