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株主総会について詳細に解説
株主総会当日の流れについてもご紹介
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投資の知識

株主総会とは?参加する方法や当日の流れを確認しよう

2023.04.28

証券コード

株主総会と聞くと難しそうと感じる方が多いと思いますしかし実際には定時株主総会臨時株主総会の違いや株主総会で決定される3つの事項などを抑えればカンタンに理解できます

本記事ではそんな株主総会の基本から参加方法1日の流れなどを詳細に解説初心者にもわかりやすいよう法令についても簡潔な要約をしていますのでぜひご一読ください

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    株主総会とは

  • 02.

    株主総会に参加するには?

  • 03.

    定時株主総会臨時株主総会の違い

  • 04.

    株主総会はどこで開催される?

  • 05.

    株主総会で決定される3つの事項

  • 06.

    株主総会の3つの決議

  • 07.

    株主総会の通知や参考書類は電子化していく!

  • 08.

    株主総会当日の流れ

  • 09.

    株主総会前に定款や招集通知の確認が必須

株主総会とは

株主総会は株式会社の意思決定を行う最高機関であり株主によって構成されています

 

会社法第295条第1項により株式会社に関する一切の事項について決議をすることができると定められておりその権限は強力です

 

ただし会社法第295条第2項では取締役会が置かれている会社の場合会社法もしくは定款で定められた事項のみ株主総会での決議事項となると定められていますのでご注意ください

株主総会に参加するには?

株主総会は株主全員が参加できるわけではありません下記2つの条件を満たす必要があります

 

決算月の権利確定日に株主であること

議決権を持っていること

 

上記を満たすと株主総会招集通知書が届きますので会場にて同封の議決権行使書を提示しましょう

 

※決算月の権利確定日に株主であること…企業の決算日において株式を保有している状態を指します

 

※議決権を持っていること…株主総会での議案に対し投票を行う権利です通常であれば1単元株で1つ議決権が得られます1単元は一般的に100株であるため100株以上株式を保有していれば株主総会に参加できるとも言えます

 

ただしまれに100株以上保有していても議決権がない特殊なものがあるため保有株式の議決権についてはしっかり確認しておきましょう

定時株主総会臨時株主総会の違い

株主総会には定時株主総会臨時株主総会2種類が存在します

 

定時株主総会は事業年度が終了してから必ず開催しなければならない総会であり会社法2961項によって定められていますそのため株式会社では年1回は定時株主総会が開催されています

 

開催時期については会社法で明確に定められてはいませんが株式会社の定款によって定められていることが多いです

 

一方臨時株主総会はその名の通り必要な場合において臨時で開かれる総会であり定時株主総会以外の総会の総称です主に会社に関連した重要事項に対し緊急で決定が必要となった場合に開催されます

 

臨時株主総会には決まった開催時期はなく必要と判断された場合にはいつでも開催が可能です

株主総会はどこで開催される?

オフライン

株主総会の開催場所は取締役会によって決定されますが毎回同じ場所とは限りません

 

また前年からあまりに遠い場所で株主総会が行われる場合には開催場所とともに決定理由が説明されます

 

しかし下記の2条件を満たしている場合には開催場所の決定理由が説明されないためご注意ください

 

開催場所が定款で定められている

開催場所について総会を欠席する株主全員の同意が得られている

 

一方で上記どちらかの条件を満たしたとしても株主の参加があまりにも難しい場合には株主総会決議の取消事由となり得ます会社法83111

オンライン

近年では株主の利便性感染症対策などを目的とし株主総会をオンラインで開催する会社も増えています

 

またオンラインでの株主総会には3パターンあります

 

  • ハイブリッド参加型バーチャル株主総会

実際の会場に加えオンラインでの傍聴を認める方式で開催される株主総会オンライン参加者に議決権等がない点が特徴です

 

  • ハイブリッド出席型バーチャル株主総会

上記同様実際の会場がある点に加えオンライン参加者にも議決権等があります通常の株主総会と何ら変わりなく参加できる点が最たる特徴です

 

  • バーチャルオンリー株主総会

実際の会場はなくオンライン参加のみとなっている株主総会です法令上は下記条件を満たす上場会社に限りオンラインのみでの株主総会を開催できます

 

上場会社かつ経済産業大臣及び法務大臣の確認を受けた場合に限り株主総会を場所の定めのない株主総会とする旨を定款に定められこの定款がある上場会社についてのみバーチャルオンリー株主総会の開催が可能

 

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえ施行2021616日施行2年間は上記確認を受けた上場会社について上記定款があるものとするこの場合定款変更の株主総会決議を経ることなくバーチャルオンリー株主総会の開催が可能

 

ただし当該みなしの定款に基づく場所の定めのない株主総会においては上記の定款を設ける変更決議は行えない

株主総会で決定される3つの事項

会社の経営に関する事項

特に組織や事業について大幅な変更がなされる事項は株主総会の決議事項となります

 

会社の経営に関する事項

  • 定款の変更
  • 事業譲渡
  • 合併その他の組織再編行為の承認

役員人事や役員報酬に関する事項

株式会社での役員の選任解任は株主総会の決議事項となります

 

役員人事に関する事項

  • 取締役
  • 会計参与
  • 監査役
  • 会計監査人

また役員報酬についても株主総会にて決議する必要がありますが総額のみの決定となる点を押さえておきましょう

 

一般的には株主総会にて役員報酬の総額を決める各役員の報酬金額は取締役会もしくは代表取締役へ一任という手順で決議がなされます

株主の利害に関わる事項

株主の利害に関わる事項は株主総会の決議事項となります

 

株主の利害に関わる事項

  • 資本金の減少
  • 剰余金の配当

 

また譲渡制限株式の譲渡承認については取締役会の置かれている会社の場合取締役会での決議事項となる点を覚えておきましょう

 

譲渡制限株式とは譲渡する際会社の承認が必要となる株式です

 

例えば中小企業などの場合株式譲渡に制限がないと株式が特定の人物のもとへ集まり会社が乗っ取られるといった事態も予測されます

 

不測の事態を起こさないために譲渡制限株式が存在すると覚えておきましょう

株主総会の3つの決議

普通決議

株主総会における決議は原則普通決議によって行われますまた上記で紹介した役員人事や役員報酬についても同様です

 

普通決議とは下記の定足数賛成数の2要件を満たした決議を指しますしかし定足数については定款によって定めれば条件から排除できます

普通決議の要件

定足数

行使可能議決権を保有する株主過半数の出席

例:行使可能議決権を保有する株主10万人に対し51人以上の出席

 

賛成数

株式総会へ出席する株主が保有する議決権総数に対し過半数以上の賛成

例:株式総会へ出席する株主が保有する議決権総数10万に対し51以上の賛成

特別決議

特別決議では定款変更事業譲渡合併その他の組織再編行為といった重要事項の決定を行います

 

特別決議では下記2要件を満たす必要がありますが定足数については定款で定めることにより行使可能議決権の3分の1まで緩和できます

特別決議の要件

定足数

行使可能議決権を保有する株主過半数の出席

例:行使可能議決権を保有する株主10万人に対し51人の出席

 

賛成数

株式総会へ出席する株主が保有する議決権総数の3分の2以上の賛成

例:株式総会へ出席する株主が保有する議決権総数3万に対し21以上の賛成

特殊決議

特殊決議は特別決議と比較しより重要な事項について決定する場合に行われます決議事項により2パターンの決議要件がありますので押さえておきましょう

特殊決議:パターン1

発行株式のすべてについて譲渡制限を設定する定款変更:会社法30931

消滅会社等の吸収合併契約等の承認:会社法7831

合併により消滅する会社が公開会社かつ当該株主に譲渡制限株式を交付する場合:会社法30933

特殊決議:パターン1の要件

定足数

行使可能議決権を保有する株主過半数の出席

例:行使可能議決権を保有する株主10万人に対し51人の出席

※定款による緩和不可

 

賛成数

株式総会へ出席する株主が保有する議決権総数3分の2以上の賛成

例:株式総会へ出席する株主が保有する議決権総数3万に対し21以上の賛成

特殊決議:パターン2

下記権利のいづれかについて株主によって異なる取扱いとする定款変更の承認:会社法3094

  • 剰余金の配当を受ける権利:会社法109
  • 残余財産の分配を受ける権利:会社法109
  • 株主総会における議決権:会社法109

特殊決議:パターン2の要件

定足数

総株主半数以上の出席

例:株主総数10万人に対し51人の出席

※定款による緩和不可

 

賛成数

総株主の保有議決権総数4分の3以上の賛成

例:株式の保有議決権総数4万に対し31以上の賛成

株主総会の通知や参考書類は電子化していく!

株主総会では招集事項決定ののち招集通知を株主へ発送し内容の連絡を行います公開会社では開催期日の2週間前までの通知発送非公開会社では開催期日の1週間前までの通知発送が義務付けられています

 

招集通知の発送は原則書面ですが株主の承諾がある場合にはメールなど電磁的方法による発送が可能となります

 

ただし総会を欠席する株主に対し書面もしくは電磁的方法による議決権行使を認める場合招集通知のみでなく株主総会参考書類の発送が必要となります

株主総会参考書類については原則書面交付となりますが202291日以降電子提供制度が施行されているためインターネット上での閲覧が可能となっています

 

202331日以降に開催される上場企業の株主総会は電子提供制度の利用が義務付けされています今後は原則インターネット上での閲覧になってきますが紙で見たい方や書面でないと不都合がある場合などは書面交付を請求することも可能です

公開会社非公開会社の差異

公開会社非公開会社の差異は譲渡時の会社承諾の要否と言えます

 

公開会社…定款により譲渡時の会社承諾が不要な株式会社一部の株式についてでもOK

非公開会社…定款により譲渡時の会社承諾が必要な株式会社全ての株式でなければならない

株主総会当日の流れ

株主総会当日は一般的に下記の通り進行します

 

1:受付

株主総会当日の出欠席確認

2:議事

報告事項の詳細報告決議事項の決議

3:採決

決議事項について採決

 

ただし株主総会当日の流れに決まったものはなくあくまで上記は一般的な例となりますので株主総会に参加される場合は案内をしっかり確認しておきましょう

株主総会前に定款や招集通知の確認が必須

株主総会は難しいものではありませんが会社法や各会社ごとの定款が絡むため複雑化しています

 

また開催場所や各決議要件も会社ごとに異なるため株主総会へ参加される場合には必ず事前に情報収集されることをおすすめします

情報提供:株主総会とは?参加する方法や当日の流れを確認しよう
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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