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VIX指数について解説
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投資の知識

VIX指数とは?恐怖指数と呼ばれる所以や活用法を解説

2023.11.08

証券コード

VIX指数は未来の米株式相場の変動幅を予測する数値です投資をするうえで参考にできる指標は数多くありますがVIX指数はボラティリティに着目した指数です
実は米国株だけでなく日本株への投資しかしていない方も参考にしたい指数なのです
保有している株式がどのくらい値上がりする可能性があるのかまたは値下がりする可能性があるのか分かれば良いのにと思ったことがある方もぜひご確認ください

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    VIX指数とは

  • 02.

    VIX指数の判断基準

  • 03.

    VIX指数が大きく変動したとき何があった?

  • 04.

    VIX指数を使って変動幅を計算する

  • 05.

    VIX指数をどう投資に活かす?

  • 06.

    VIX指数に投資できる?

  • 07.

    冷静な投資判断のために役立てよう

VIX指数とは

VIX指数とはボラティリティインデックスVolatility Indexの略称でシカゴオプション取引所がS&P500銘柄のオプション金額や株価および権利行使価格との差額満期までの残存期間などを平均化し数値化したものです

 

ボラティリティは変動幅を意味していますVIX指数が高いほど大きな変動が予想されており株式相場の先行きの不透明感を表していますつまりVIX指数は投資家がどの程度米国株式市場の先行きに不安を感じているかを表す指数なのです

 

なおSP500はアメリカの主要産業を代表する企業500社の株式時価総額を加重平均し数値化したものでSPダウジョーンズインデックス社が算出しています

 

SP500米国株式市場時価総額の7580%に当たるためVIX指数は世界最大の株式市場の先行きを予想する指数と言えます

VIX指数はチャートで確認できることが多いためお取引のある証券会社のウェブサイトにて一度ご確認ください

別名恐怖指数

これから株式市場に大きな動きが予想される場合VIX指数が高い数値を表すため投資家の不安な心理を表す数値として別名恐怖指数と呼ばれています

 

ちなみにVIX指数以外にも恐怖指数と呼ばれる指数は存在しますVIX指数はSP500のオプション取引を基に算出していますが算出の基となる取引は以下のとおり指数ごとに異なります

 

  • VNX指数=NASDAQ100のオプション取引を元にシカゴオプション取引所が算出
  • MOVE指数=米国債のオプション取引を元にバンクオブアメリカメリルリンチが算出

 

どちらの指数も数値が高い場合VNX指数は米株式相場へのMOVE指数は米国債権相場への先行き不安が高まっていることを意味します

日経平均版VIX指数

日経平均VI=日経平均ボラティリティインデックスは日経平均版VIX指数です

 

日本経済新聞社が大阪取引所の日経平均オプションの取引価格を基に算出しており今後の日経平均の変動幅を予測するものですVIX指数同様値が高ければ高いほど今後の株価に大きな変動が予想されていることを示しています

VIX指数の判断基準

VIX指数が表す数値をどのように判断すれば良いか基準を確認していきましょう

 

大まかにはVIX指数の数値が高ければ高いほど将来的に相場に大きな変動が起こる可能性があるとされています

1020:相場の先行きに不安を感じていない状態この範囲での推移が一般的

2030:相場の先行きに不安を感じている状態

30〜:相場の先行きに大きな不安を感じ混乱が予測される状態

また日経平均VI2030の範囲での推移が一般的ですVIX指数よりも水準がやや高めと言えます

VIX指数が大きく変動したとき何があった?

2000年以降VIX指数および日経平均VIが大きく変動した代表的な出来事を振り返ってみます

2001年:米国同時多発テロの発生

世界に衝撃を与えたハイジャックによるテロ事件が発生した20019VIX指数は43を記録

2008年:リーマンショック

米国大手投資銀行リーマンブラザーズの経営破綻に端を発する金融危機が発生した200810VIX指数は96を記録日経平均VI92.03を記録

2020年:新型コロナウィルスの感染拡大

新型コロナウィルスの感染が世界的に拡大し混乱状態にあった20203VIX指数は85を記録日経平均VI47.71を記録

いずれも世界の株式相場に大きな影響を与えた出来事ですこれらの大きな心理的不安を伴うケースではVIX指数が落ち着いた状態を示す20前後に下がるまでに1年かかっています

 

ちなみに東日本大震災が起こった20113日経平均VI69.88を記録しています

VIX指数を使って変動幅を計算する

VIX指数を使って自身でこれからの株式相場の変動幅を予測することも可能です

実際に20231025日の終値を使用してSP500がこれからの30日間でどの程度の変動が予想されるのか計算してみましょう

VIX指数=20.19S&P500=4186.77の場合

 

1:年率表示のVIX指数を30日間1カ月に置き換える

   20.19/√12=5.83小数点第三位を四捨五入

2SP500の変動幅を計算

   4186.77×5.83%=244.08

3:これからの30日間でSP500がどこまで値上がりまたは値下がりするかを確認

   4186.77244.084430.85

   4186.77244.083942.69

   4430.85上値から3942.69下値の範囲での価格変動が予想される

必ずしもこの範囲で価格変動するわけではないことを念頭に置いておく必要がありますが変動幅を具体的に計算しておくことでリアルタイムのS&P500と比較し売買するか否かを判断する材料になります

 

意外と簡単に計算できるので気になる方は一度チャレンジしてみてください

VIX指数をどう投資に活かす?

相場の先行き不透明感を表すVIX指数はどのように投資に活かせるのでしょうか

売買するかどうか状況を冷静に見極める

VIX指数が20を超えてきたとき今後の相場動向に不安を感じて保有している株式の売却を検討した方が良いのでは?と考える方もいらっしゃるでしょう

 

VIX指数が表すのは相場全体の今後の変動幅予測です株式を保有している企業の業績に問題がなければ下落は限定的かつ一時的かもしれません今後の業績に期待できるようであれば一時的な下落のタイミングが買い増しのチャンスという場合もあります投資すべきタイミングかどうか冷静に判断するきっかけになるわけです

保有株式とのリスクヘッジ

VIX指数と株式は負の相関関係にある逆相関ためVIX指数をインデックスとする金融商品を活用して分散投資を行うことも可能ですこれは機関投資家やトレーダーも行っている投資手法です

 

またVIX指数は株式相場が上昇する局面よりも下落する局面に対してより大きく連動する傾向があると言われています株式を保有している投資家にとってVIX指数に関連する金融商品を保有することは相場の下落局面に対してより大きなヘッジ効果を発揮します

VIX指数に投資できる?

VIX指数に直接投資することはできませんがVIX指数に連動するETFに投資することはできます

VIX指数に連動するETFに投資するメリット

ETFExchange Traded Fundsの略称で上場投資信託です通常投資信託は1日の取引の終わりに基準価格が算出されますがETFは株式同様動向を確認しながら取引時間中に売買することができます投資信託よりもタイムリーにアクティブな運用が可能です

 

またこのETFは株式相場と逆相関にあるため分散投資の効果が期待できるでしょう

VIX指数算出の基になっているSP500だけでなくSP500と相関関係にある日経平均やTOPIXとも逆相関となるため日本の株式を保有している方も有効なリスクヘッジとなり得ます

 

なお日経平均VIに投資が可能なETFもあります

VIX指数に連動するETFに投資するデメリット

VIX指数が大きな数値を示すような局面はプロでも予測が難しい相場環境と言えるため慎重な判断が求められます

 

また政情不安など株式相場を脅かすような出来事が起こらない場合VIX指数は下がり続けることになりますその場合VIX指数に関連する金融商品で利益を上げることは難しくなるでしょう将来の値上がりを期待する長期投資にはあまり向かない傾向があります

 

ETFだけでなくボラティリティファンドなどの投資信託にも総じて言えることですが少額から投資が可能なため初心者の方もチャレンジしやすい側面があります

冷静な投資判断のために役立てよう

恐怖指数と聞くと身構えてしまいますが投資家が知っておいて損はない未来の株式相場の変動幅を予測する指数です理解を深め参考にすることで相場に過熱感が出た際慌てて売り急いでしまうリスクを抑えられます

 

一方でVIX指数だけで投資判断をすることは得策ではありませんVIX指数以外にもさまざまなテクニカル分析があるためいくつかの指数を組み合わせて総合的に判断しましょう

 

観点を変えて分析を行う冷静な判断を武器に投資経験を積み重ねていきたいですね

情報提供:VIX指数とは?恐怖指数と呼ばれる所以や活用法を解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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