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ローソク足の基本の見方や使い方を初心者向けに解説
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投資の知識

初心者向けローソク足の基本の見方使い方

2023.07.23

証券コード

ローソク足は株価や為替など投資の分野で広く使用されるチャート分析の手法です

初めて見たときは難しく感じるかもしれませんが実際には基本的なパターンとルールを覚えることで理解することができます

今回は初心者でもわかりやすいローソク足の基本の見方使い方を解説します

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    ローソク足チャートとは

  • 02.

    ローソク足の基本の見方

  • 03.

    ローソク足の種類

  • 04.

    ローソク足の組み合わせで相場を分析

  • 05.

    テクニカル指標なども併用して精度を上げよう

ローソク足チャートとは

ローソク足とは4本値をローソク状に1本にまとめたものですこのローソク足を使い相場の状態や流れを一目でわかるようにしたチャートをローソク足チャートといいます

 

ローソク足チャートは日本で生まれたチャート分析の手法であり現在では日本以外の国でも広く使用されています


ちなみに投資の分析に使われるチャートにはローソク足チャート以外にもラインチャートバーチャートなどいろいろな種類があります

ローソク足の基本の見方

ローソク足を理解するためにはまず基本的な要素である4本値始値終値高値安値陰線と陽線実体とひげについて理解する必要があります

ローソク足の4本値

ローソク足の4本値とはある特定の期間の値動きにおける始値終値高値安値を指します



始値:特定の期間において最初に取引された値段

終値:特定の期間において最後に取引された値段

高値:特定の期間において最も高く取引された値段

安値:特定の期間において最も安く取引された値段

 

特定の期間とは15日足などを指します

 

始値の例を挙げると日本の株式市場の場合9時から取引が開始されて15時に終了するので日足の始値9時から15時の間で最初に取引された値段です

ローソク足のあし

ローソク足チャートには期間時間枠がありその期間のことをと呼びます例えば1分足5分足15分足1時間足日足週足月足などがあります

 

ローソク足の期間が短いほどより細かい値動きを見ることができますノイズや一時的な変動も多くなるのが欠点です一方期間が長いほどトレンドや大局的な価格の変動を把握しやすくなります細かい値動きの情報が欠落することもあります

 

投資家は自身の取引スタイルや目的に合わせて適切な期間を選択することになります

 

一般的には短期トレーダーは短い期間を使用しスキャルピングやデイトレードに適した情報を入手する傾向にあります一方長期投資家は長い期間を使用することで大局的なトレンドやサポートレジスタンスを分析するのが主流です

陰線と陽線実体とひげ

ローソク足には陰線陽線があります

 

価格が上昇して終わった場合つまり始値よりも終値が高い場合のローソク足が陽線反対に価格が下落して終わった場合のローソク足が陰線です

 

陰線が連続している場合は下落トレンドが強まっており陽線が連続している場合は上昇トレンドが強まっていると考えられます

 

ちなみにチャートを見ると陽線は赤や白陰線は青や黒で表示されているケースが多いですが色は証券会社によって違っていたりあとから変更することが可能です

 

またローソク足は実体ひげで構成されており実体は始値終値ひげは高値安値をそれぞれ表しています

 

ただし始値や終値が安値や高値と重なるときはひげが出ない場合もあります

 

上ひげは買いが優勢だったが売り圧力が強く押し戻された状態下ひげは売りが優勢だったが買い圧力が強く押し戻された状態を表します

 

そのため上ひげが長いほど売り圧力が強く下ひげが長いほど買い圧力が強いということです

ローソク足の種類

ここでは主要なローソク足の種類をいくつか紹介します

大陽線

大陽線価格が上昇して終値が始値よりも高くなったローソク足です実体が長い陽線で市場が強気上昇トレンドであることや買い圧力が強いことを示します

 

安値圏大陽線が発生すると下降から上昇への転換サインとされています

大陰線

大陰線価格が下落して終値が始値よりも低くなったローソク足です

 

実体が長い陰線で市場が弱気下降トレンドであることや売り圧力が強いことを示します高値圏で発生すると上昇から下降への転換サインとされています

小陽線

小陽線価格が上昇して終値が始値よりもわずかに高くなった陽線で実体とひげが短いのが特徴

 

やや上昇した状態であるもののレンジ相場でよく見られ相場の迷いを示しますトレンドが無いことが多いため小陽線が出ている場面では取引を控えるのが無難かもしれません

 

連続した小陽線価格上昇の勢いが継続していることを示唆し上昇トレンドの確認や買いシグナルとして注目されることがあります

小陰線

小陰線は実体とひげが短い陰線で価格が下落して終値が始値よりもわずかに低くなったローソク足を指します

 

相場の迷いを示すため取引を見送った方がいいでしょう

 

連続した小陰線は価格下落の勢いが継続していることを示唆し下降トレンドの確認や売りシグナルとして注目されることがあります

上影陽線

上影陽線は価格が上昇して終値が始値よりも高くなったローソク足であり上ひげが長い陽線であるのが特徴です

 

一見すると市場が強気上昇トレンドであるように見えますが実際には価格が上昇した後に売り圧力が働き終値が始値に近くなったことを示します

 

強い売り圧力があると解釈され高値圏で発生した場合下降トレンドへの転換サインとなります

上影陰線

上影陰線価格が上昇した後に反転して終値が始値よりも低くなったローソク足であり上ひげが長い陰線であるのが特徴です

 

強い売り圧力を示し高値圏で発生したら下降トレンドへのサインです

下影陽線

下影陰線価格が上昇した後に反転し終値が始値よりも低いローソク足であり長い下ひげがついています

 

価格が上昇した後に売り圧力が働き終値が始値に近くなったことを示します

 

下影陽線ほど強気ではないものの下降トレンドの際に出現した場合は反転上昇する可能性があります

下影陰線

下影陰線価格が上昇した後に反転し終値が始値よりも低いローソク足であり長い下ひげがついています

 

価格が上昇した後に売り圧力が働き終値が始値に近くなったことを示します

 

下影陽線ほど強気ではないものの下降トレンドの際に出現した場合は反転上昇する可能性があります

十字線

十字線には実体がなく上下のひげだけで形成されています

 

十字線は始値と終値がほぼ同じである場合に出現し買いと売りがほぼ均衡していることを示すとともに相場の転換サインとして注目されます

ローソク足の組み合わせで相場を分析

ローソク足チャートでは複数のローソク足が組み合わさることでさまざまなテクニカルチャートパターンが形成されます以下に代表的なローソク足の組み合わせのいくつかを説明します

包み線

包み線2本のローソク足で作られます1つ前のローソク足の高値と安値が包まれる形で実体だけでなく上下のひげも全部包んだパターンが包み線です

 

陽線2本や陰線2本の組み合わせよりも陽線と陰線陰線と陽線の組み合わせが重視されさらに天井圏底値圏で出現した際に注目されます

 

例えば下降トレンド後に底値圏に位置しているとき前日が陰線で陽線がその陰線の値幅を全部包んだ場合買い転換のサインになります

 

上昇トレンド後に天井圏に位置しているとき前日が陽線でその値幅を陰線で包んで引けた場合は売り転換のサインです

はらみ線

はらみ線2本のローソク足で作られ包み線とは逆に1つ前のローソク足が当日の高値と安値を包んだ形です

 

大陽線+小陽線小陰線または大陰線+小陽線小陰線の組み合わせで形成され上昇下降どちらの相場で出現するかによって意味が異なります

 

上昇トレンド中に大陽線+小陽線のはらみ線が形成される場合上昇トレンドは継続しているものの一時的な調整が入る可能性があります

 

上昇トレンド中に大陽線+小陰線のはらみ線が形成される場合上昇の勢いが鈍りつつあるサインです買い圧力が相対的に弱まっており上昇トレンドの転換や一時的な反転の可能性があることを示唆しています

 

下降トレンド中に大陰線+小陽線のはらみ線が形成される場合下降トレンドが継続しているものの一時的な調整が入る可能性があることを示唆しています

 

下降トレンド中に大陰線+小陰線のはらみ線が形成される場合下降の勢いが鈍りつつあるサインです売り圧力が相対的に弱まっていることを示し下降トレンドの転換や一時的な反転の可能性があります

 

なお大陽線大陰線+寄引同事線1大陽線大陰線+極線2のはらみ線になった場合天井または底である可能性が一段と高まるのでチェックしてみましょう

 

1:寄引同事線…始値と終値が同じだった場合に1本の横線で示されるローソク足のことトンボ十字線一本線トウバなど

2:極線…実体が小さくひげが短い小陽線と小陰線

かぶせ線

かぶせ線は陽線+陰線または陰線+陽線の順に並んだローソク足のパターンでトレンドの転換を示唆するとされています

 

上昇トレンドから下降トレンドへの転換時に現れるかぶせ線の特徴は次の通りです

 

  • 上昇トレンド中に現れる
  • 陽線+陰線で形成される
  • 陰線は前日の陽線より高値で寄りつくが引けるまでに下落し前日の陽線の実体の中心始値と終値の中間を割り込む

 

高値圏でかぶせ線が出たら天井打ちになる可能性があるので要注意です

 

下降トレンドから上昇トレンドへの転換時に現れるかぶせ線は上記の特徴とは反対になります

 

  • 下降トレンド中に現れる
  • 陰線+陽線で形成される
  • 陽線は前日の陰線より高値で寄りつくが引けるまでに上昇し前日の陰線の実体の中心始値と終値の中間を割り込む

 

底値圏でかぶせ線が出たら反転上昇になる可能性があるので注意が必要です

酒田五法

酒田五法は日本で江戸時代に開発されたテクニカル分析1つです

 

酒田五法は三山三川三空三兵三法5つのパターンから成り立っています

三山さんざん

三山は上昇トレンドの終わりを示すローソク足パターンで3つのピーク高値がほぼ同じ水準で形成されます

 

ヘッドアンドショルダーズとも呼ばれ価格の上昇が抑制され下降トレンドの始まりを示唆するものです

 

また三山の中でも真ん中の山が一番高いパターンは三尊さんぞんと呼ばれます

三川さんせん

三川は三山の逆バージョンで下降トレンドの終わりを示すパターンです

 

三川の中でも真ん中の谷が一番低いパターンは逆三尊ぎゃくさんぞんと呼ばれます

三空さんくう

相場が上昇または下降トレンドにある際に発生するパターンで3日以上連続で窓ギャップが形成され価格の隙間が生じる現象です

 

三空が現れるような相場は過熱状態でありトレンドの終わりを示唆します

三兵さんぺい

陽線が3本または陰線が3本連続した状態を三兵と呼びます

 

特に陽線が3本続くことを赤三兵陰線が3本続くことを黒三兵と呼び赤三兵は上昇トレンドの始まりのサイン黒三兵は下降トレンドの始まりのサインとされます

三法さんぽう

三法とは小陽線や小陰線が連続している状態で相場の迷いを表しています

 

休むも相場という投資格言があるようにこのように方向性が見えない局面では無理に取引をせず行く末を見守るのも大切です

テクニカル指標なども併用して精度を上げよう

ローソク足はテクニカル分析において最も重要な要素の1つですがローソク足だけで判断するとダマシに遭遇することがあります

 

今回紹介したローソク足の組み合わせによる明確なサインがあっても思ったような値動きをしないことはしばしばあります

 

ローソク足だけでなくテクニカル指標やファンダメンタルズ分析なども併用し分析の精度を上げていきましょう

情報提供:初心者向けローソク足の基本の見方使い方
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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