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計算式や投資の目安となるROEを解説
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投資の知識

ROEとは?計算式や投資の目安となる数値をわかりやすく解説

2023.03.31

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企業の財務情報をチェックしているとROEという値を目にすることも多いでしょうこの値は企業の経営状態を把握分析するために重要な指標のひとつです

ROEが高い企業であれば投資先として有望な企業だと判断できるため投資先を選定する際は必ずチェックしたい要素となっています

本記事ではROEの意味とそこから読み取れることROEの算出方法などを解説します

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    ROEとは?

  • 02.

    ROEから何がわかる?

  • 03.

    ROEROAの違いとは?

  • 04.

    ROEの算出方法

  • 05.

    ROEが高い値になる理由

  • 06.

    ROEが下がる理由

  • 07.

    ROEだけで企業の健全性を見極めることは難しい

ROEとは?

ROEReturn on Equityとは自己資本利益率という意味の言葉です企業が持っている資本に対する純利益の割合を示した数値であり一般的にこの数値が高いと企業は資本を効率良く使って利益を出せています

企業の資本は株主の出資によって得られる自己資本金融機関から借り入れたお金や債務から成る他人資本に分かれており自己資本を使用して順調に利益を出しているということはそれだけ安定した企業経営ができていることを表しています

ROEの国内における一般的な目安値は10%以上でありその値を超えると将来性のある企業だと読み取ることが可能です

投資を考える側にとってROE投資したお金に対し企業がどのくらい効率的に利潤を上げられるかを図る指標となるため投資先を選ぶ際の重要な要素です

 

ROEから何がわかる?

ROEをチェックすることで企業の経営状況か良好かどうかの判断ができます

ROEが高ければ自己資本を使用して順調に利益を出せていることを意味するため収益性が高い企業だと分析することが可能です逆にこの値が低い場合は収益性の低い企業だと見なせます

経営効率を示す指標であるためROEを読み取ることで企業が倒産する危険性や株価が高まる可能性などを分析することが可能です

企業が倒産するリスク

ROE企業が自分たちの資本を使用して稼ぐ力を表す指標であることからこの値を読み取ることによって企業が倒産するリスクを分析できます

投資する側にとっては倒産する可能性のある投資先を避けるためにROEを役立てることで投資のリスク低減が可能です

企業の株価予測

ROEはその企業が投資先として魅力的かを表す指標の1つであるためこの値の高低が株価に影響を及ぼすこともありますROEが高い銘柄は純利益の割合が高く将来の稼ぐ力も高いことになりますよって投資家から注目を集めることになり株価が上がりやすくなります

ROEが高いところは株価の高騰が期待できる企業でもあるのです

ROEROAの違いとは?

ROEとよく間違えられる指標にROAReturn On Assetがありますこの値は総資産利益率を表しており企業の稼ぐ力を示すという点は共通しています

しかしROAは企業の総資産に対する純利益の割合を表すため借金も含めたお金を企業がどのくらい効率的に使って利益を出しているかを読み取ることができます

負債も含めて割合を算出するためROAは借り入れを頻繁に行う企業の経営者にとっては経営状態をより正確に判断する際の指標になるでしょう

投資する側にとっては企業が投資されたお金でどのくらい利益を上げられるかを示すROE投資先を選ぶ際に有用な値となります

投資を始めようと思う方はまず企業のROEの高低に注目しましょう

ROEの算出方法

ROEを算出するには以下の2種類の公式を用いますどちらの公式も企業の純利益値を含めており違いはそれが年間の値か1株分かという点だけです

 

ROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
または
ROE(%)EPS一株当たり利益÷ BPS一株当たり純資産× 100

 

 

当期純利益は1年間で企業が得た収益のうち事業費や人件費税金などの値を差し引いた最終利益値のことです

自己資本は資本金資本剰余金利益剰余金自己株式から構成されます資本剰余金と利益剰余金は株主が事業元本として出したお金で自己株式は企業が持つ自社株のことです

これらの1株あたりの値はそれぞれの値を発行済み株式数で割ることによって導き出せます

ROEが高い値になる理由

ROEが高い値になる理由を知ることで企業の財務状況を詳細に分析できより投資先の有望性を見極めることが可能ですROEが高くなる2つの理由について確認しましょう

自己資本の減少

企業が持つ自己資本の減少がROEの上昇を招く理由になる場合があります

自己資本が少なくなる主な原因は株主への配当金を増やしたり自社設備に投資したりすることです配当が増えれば投資家から注目を集めて株価が上がる可能性があり設備投資がされれば新事業の展開や既存事業の成長が考えられ収益性の向上が期待できます

利益の増加

企業の利益が増加することもROEが高い値を出す理由のひとつです

企業の収益が増加するか外部への支払い金額が下がることで純利益の値が上がるためROEが高い値になるのです

収益が増えたことでROEが上昇した場合は事業が順調に成長していたり企業買収に成功していたりするため企業の将来性が高まっている理想的な状態だと言えるでしょう

ROEが下がる理由

ROEが低い場合は企業の稼ぐ力が下がっている状態にあると考えられますが必ずしもそうとは限りません

ROEが下がる主な理由は以下のとおりです

自己資本の増加

企業が持つ自己資本が多くなった場合はROEが下がります

自己資本が多くなる理由には企業が内部に収益を溜め込んでいるケースや資本増加のために新しい株式を発行するといったケースがあります

内部に利益を多く溜め込んでいる企業は経済状況の悪化に備えていることが多いため倒産のリスクが低いと言えるでしょう配当金が低くなるケースは想定できますが投資後の安定性を求める場合は投資先として検討できます

利益の減少

企業の純利益が下がっている場合もROEが下がる理由になります

理由は売上の減少や経費削減が上手くできていないといったケースだけでなく配当金が増額されているというケースも含まれます配当は企業の収益から出されるためその金額が多いほど利益値は下がるからです

また経費の増大も利益減少に影響しますがこれは将来の事業拡大に備えて人材の確保や研究開発への投資などを行った場合にも見られます新規事業の展開は企業の収益増加につながる可能性があるためこういったケースでは必ずしも悪いとは言えません

ROEだけで企業の健全性を見極めることは難しい

ROEは企業の経営状況の健全性を判断し投資先として有望かどうかを検討する判断指標として活用できる値です

しかしROEが低くても必ずしも稼ぐ力に乏しい企業だとは言い切れず将来の事業拡大に備えて一時的に値が低下している可能性もあります

よって投資先を選ぶ際はROEだけではなく他の財務指標も参照しましょう

情報提供:ROEとは?計算式や投資の目安となる数値をわかりやすく解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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