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貸株の仕組みとメリットデメリットを解説
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投資の知識

貸株とは?基本的な仕組みとメリットデメリットを解説

2023.07.31

証券コード

株式投資においてポートフォリオの多様化や収益の最大化を図るために貸株という仕組みを活用する選択肢がありますしかし貸株にはデメリットやリスクもあるので利用前にしっかり検討することが大切です

本記事では貸株の基本的な仕組みからメリットデメリット活用方法までわかりやすく解説していきます

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    貸株とはどのような仕組みなのか?

  • 02.

    貸株のメリット

  • 03.

    貸株のデメリット

  • 04.

    貸株に関するよくある質問

  • 05.

    基本を理解してから取り組もう

貸株とはどのような仕組みなのか?

貸株とは自分が保有している株式を証券会社に貸し出しその間の貸株金利を受け取ることができる仕組みです

 

貸株金利は証券会社ごと銘柄ごとに異なります証券会社は借り入れた株式を他の投資家等に貸し出すなどの運用をしそこから得た利息の一部を貸主である投資家へ戻す仕組みです

貸株のメリット

投資家にとって貸株は以下のようなメリットがあります

 

  • 利息が受け取れる
  • 売却したいときにすぐ売れる

 

それぞれのメリットを詳しく解説します

利息が受け取れる

貸株の最大のメリットは貸株金利と呼ばれる利息が受け取れることです長期保有している株式や伸び盛りの業界の株式を遊ばせておくよりも貸し出すことで収入を得られます利息は証券会社や銘柄によって異なりますが年率で0.1%〜10%超になるものまで幅広くあります

売却したいときにすぐ売れる

貸株のもう1つのメリットは売却したいときにすぐ売れることです貸し出した株式は証券会社が管理しているため売りたいタイミングで即時に売却できます

 

市場に流通している株式数が少ない銘柄や需要が低い銘柄では売却する際に時間がかかったり値下がりしたりするリスクがありますが貸株ではその心配がありません

貸株のデメリット

メリットがある一方で貸株には以下のデメリットも存在します

 

  • 配当金が雑所得扱いになってしまう
  • 利用時は株主優待が受けられない
  • 保有株式全てを貸し出すと株主総会へ参加できない

 

それぞれ解説しましょう

配当金が雑所得扱いになってしまう

貸株を行うと貸し出し中に発生する配当金は貸株配当金相当額と呼ばれ雑所得として扱われます

 

通常配当金は株主に直接支払われるものですが貸株中は株主の名義が借り手に移るためその権利も借り手に渡りますしたがって配当金が支払われた場合は借り手が受け取ることになるのです

 

通常の配当金であれば申告分離課税で他の所得と分けて申告ができたり損益通算を行うことができますが貸株配当金相当額の場合はそれらもできませんので所得が多い方は特にご注意ください

 

また外国株式の場合は源泉徴収税や外国税額控除などの複雑な手続きが必要になる場合もあります

利用時は株主優待が受けられない

株主優待制度は実際に株式を保有している株主に提供される特典ですしかし貸株中は株主の名義が借り手に移るため株主優待を受けることができません

 

株主優待は割引購入や特別なサービス株主限定イベントへの参加など株主にとって魅力的なメリットを提供しています特に長期保有の優遇がある銘柄に関して貸株を行う場合は要注意です

保有株式全てを貸し出すと株主総会へ参加できない

株主総会に参加した投資家も少なくないでしょうしかし保有株式全てを貸株にしてしまうと株主総会への参加権利もなくなってしまうのでご注意ください

貸株に関するよくある質問

ここからは貸株の活用方法とよくある質問をご紹介します

貸株金利はどの程度もらえる?

貸株金利は貸し出す株式の種類や数量需要と供給のバランス貸し出し期間などによって変動しますが年利0.1%〜0.2%程度のものが多いでしょう

 

しかし市場の状況によっては高い需要がある株式が年利10%を超えることもあります例えば2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響で空売りが増えたことで一部の株式の貸株金利が急騰しましたこのように貸株を利用することで保有株式の収益性を高められます

貸株を行う最適なタイミングはある?

貸株を行う際には適切なタイミングを見極めることも重要です以下にいくつかの貸株戦略の例を挙げます

高金利期待

株式市場での金利水準が上昇している場合貸株料も通常上昇します金利上昇の予想がある場合にはそのタイミングで貸株を行うことで収入を増やすことができます

株価の下落期待

株価が下落すると株式の借り手が増える傾向がありますこのような状況では株価の下落が見込まれるタイミングで貸株を行うことでより高い貸株料を得られます

貸株をしながら株主優待をもらうには?

貸株しながら株主優待を受け取りたい場合2通りの方法があります1つは保有株式の一部を貸株に回す方法です例えば1,000株保有しているうち900株を貸株することで残り100株分の株主優待を受けられます

 

もう1つは権利確定日前に貸株を解除する方法です証券会社によっては貸株サービス利用時に自動的に権利確定日前に貸し出していた株式を戻してくれ株主優待が受けられるようになる設定も可能ですので一度確認してみることをおすすめします

NISA口座の株は貸株できる?

NISA口座で保有している株式で貸株サービスを利用することはできません

 

また貸株の利用には証券会社によって貸株口座の開設が必要なところもありますので利用中の証券会社のサービス内容をご確認ください

基本を理解してから取り組もう

貸株には利息が得られる大きなメリットがある一方知らないと損する思わぬ落とし穴もありますまずは基本の仕組みやメリットデメリットをしっかり理解したうえで利用するよう心がけましょう

情報提供:貸株とは?基本的な仕組みとメリットデメリットを解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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