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自社株買いと株価との関係を解説します
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投資の知識

自社株買いとは?株価との関係やメリットデメリットを解説

2022.12.15

証券コード

会社は自分たちのお金を使って市場から自分達の株を取り戻す自社株買いを実行するケースがありますそれは株式市場に大きな影響を及ぼすことであり株価が上がる要因でもあります

投資家から見ると配当金が増えるといった恩恵が得られる一方で株価が下がるリスクもあるので慎重に判断を下すことが必要です

本記事は自社株買いの株価への影響投資家から見た良い点と問題点を解説していきます

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    自社株買いとは

  • 02.

    会社が自社株買いをする意味

  • 03.

    自社株買いの投資家から見たメリット

  • 04.

    自社株買いの投資家から見たデメリット

  • 05.

    自社株買いのことを理解して投資を検討しよう

自社株買いとは

自社株買いとは会社が自分達のお金を使って自社の株を取り戻すことを言います上場会社は株式市場を通じて取り戻せますが非上場会社は取り戻す前に株主と交渉する必要があります

取り戻した株が辿る道はそのまま会社が持ち続ける金庫株になるか取締役会議の決議によって消滅させる消却になるかのどちらかです

消却を選んだ場合は発行済みの株式総数を削減し1株分の利益や価値を増やすことで株価を高くできるので経営改善を図ることが可能です

1株分の価値が上がると配当金が増えるので投資家からすれば収益の増加につながります

会社が自社株買いをする意味

会社が自社株買いをする理由として挙げられることは以下の5つです

  • 株価を調整して株主への配当金を上げる
  • 他の会社による買収へ対抗できる
  • 配当金の調整ができる
  • 社員による自社の株の購入権利が得られる
  • 会社買収や合併をする際の資金に使える

買い戻した自社の株を消却して発行済み株式総数を減らすと1株分の価値が上がるので投資家に還元される配当金が増えます配当金が増えると投資家からの関心が高まるのでより自社に投資してもらいやすくなるのです

また自分達の持ち株比率を上げて他の会社が買える株を少なくしたり株価を上げて買収に必要な資金額を増やしたりすることでより外部会社が自社を買収しにくくするという目的もあります

他社に経営権を奪われたくない会社側からすれば自社株買いは買収を困難にさせるために効果的な方法なのです

自社が他の会社を買収したり合併したりする際の株式交換相手の会社から株を得る代わりに自社の株を与えること株式譲渡相手の会社から株を得ることにおいてもそれらに取り戻した自社の株を充てることで株価を下げずに手続きをすることが可能です

他にも社員が自社の株を購入できる権利を得ることで社員が株価増加による利益を考え意欲的に仕事を進める可能性も高まります社員の仕事への意欲が高まれば業績が上がって株価も上がり双方にとってプラスになります

自分達が持っていた株を取り戻すことによって会社側は数多くの恩恵を得られるのです

自社株買いの投資家から見たメリット

会社が自社株買いを実行した場合投資家は1株分の株価が上がることで配当金が増えるといった恩恵が得られます

配当金が増額される要因となるのがPERROEPBR値の変動です詳しく確認していきましょう

以下自社株買いの投資家から見た良い点について解説していきます

PERが下がるので投資額回収までの期間が短くなる

PERとは株価収益率Price Earnings Ratioのことであり投資したお金をどれだけの期間で回収可能かを示す指標のことですこの値を算出するには株価を1株分の純利益で割るので会社が株を取り戻した後はPERが低下します

PERが下がると株価は割安ということになりますつまり自社株買いが実行されると投資額を回収するまでの期間が短くなるのです

ROEが上がるので配当金の増額が見込める

ROEとは自己資本利益率Return On Equityのことであり会社が投資家の投資額を使ってどれだけ順調に利益を出せたかを示す指標ですこの値を算出するには当期純利益 ÷ 自己資本 × 100の式を用います

自社株買いを実行すると会社のもっている資本比率が下がるのでROEが上がるのです

ROEが上がると投資家が投資したお金を使って順調に利益を出せていることを意味し市場の期待度が高まって株価が上がります株価が上がると1株分の配当金の増加が期待できます

PBRが下がるので配当金の増額が見込める

PBRとは株価純資産倍率price book-value ratioのことで会社がもつ資本に対して株価が何倍であるかを示す指標ですこの値は株価が割安か判断する指標になります

算出するには株価を純資産÷発行済み株式総数の式で求めた1株分の純資産で割るので会社が株を取り戻すことによって資本の数値が高くなりPBRは下がります

PBRが低下すると株価が割安になったと判断され株が買われる傾向が強まるので株価が上がり配当金の増額が期待できるのです

自社株買いの投資家から見たデメリット

会社が自社株買いを実行すると株価が乱高下するリスクや株価が長期的に上がらないといったマイナスの結果につながる要素があります

問題点を理解することで投資すべきかを判断する材料になるのでしっかりと確認しておきましょう

以下自社株買いの投資家から見た問題点について解説していきます

株価が一時的に乱高下するリスクがある

自社株買いは事業を拡大するために必要な株を自分達で取り戻すことなのでそれによって今後の会社成長が期待できないと市場に判断される可能性があります

株価が下がると投資によるリターンが期待できなくなり大きな損失につながることもあります

会社が株を取り戻した場合は理論的には株価が上がりますが市場の判断によっては株価が下がってしまうこともあるので注意しましょう

長期的に見て株価が上がらない可能性がある

自社株買いは一旦は株価を上げることが期待されますが会社の利益が上がっていくことにつながるとは限りません長期的に見ると株価が元に戻ったり下がったりする可能性があります

会社が自社の株を取り戻したことでお金が少なくなり市場の評価が下がって株価が低下することもあります

最終的な株価がどうなるかをよく確認し投資する必要があるのです

自社株買いのことを理解して投資を検討しよう

自社株買いは会社が自分達の資本を使って株を取り戻すことなので1株分の株価が上がることが見込めます

株価が上がると投資家からすれば配当金の増額が期待でき会社側にとっても他の会社からの買収を回避したり社員の仕事への意欲を上げたりなど数多くの良い点があります

しかし必ずしも株価が上がっていくというわけではなく市場の判断次第では投資家にマイナスの結果をもたらす可能性もゼロではありません

理論上は株価が上がる要因なので投資家側と会社側の目線を併せ持って自社株買いの意味を認識し会社に動きがあった以後の動向に注意しながら投資を検討しましょう

情報提供:自社株買いとは?株価との関係やメリットデメリットを解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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