ミニ株とは、通常より少ない株の単位で取引する方法です。

通常は株を100株単位で取引することが多く、例えば1株あたりの株価が2万円の企業株を購入する際は、一度に200万円の金額が必要です。これでは投資に踏み出しにくくなってしまう人もいるでしょう。

そのため、多くの証券取引会社では、1株～10株単位の株を取引できるように設定しています。これを利用することで、投資者は少ないお金から株取引をすることが可能となります。

この場合でも通常の取引と同様、少ない額ですが配当金がもらえます。ただし、株主総会における議決権や株主優待を受ける権利はないため、注意しましょう。

単元未満株は広い範囲ではミニ株とほぼ同じ意味の言葉です。単位が1株のものを「単元未満株」と呼びます。

注意しておきたいのは、これらの取引は全ての会社で行えるわけではない点です。楽天証券のように売却はできても買うことが不可能なところもあるため、事前によく確認しておく必要があります。

ミニ株を買う利点は少ない金額で投資しやすい点や、分散投資がしやすい、失敗した場合の損失額が少なくて済むといった点です。

以下、詳しく確認していきましょう。

ミニ株は少額で投資が可能なため、取引をしやすくなっています。そのため、初めての方も少しずつ株取引に慣れていくことができます。

また、必要な資金が少なくて済むため、通常であれば購入に数百万円かかる株も投資対象の候補にすることが可能です。

ミニ株への投資では、投資先を複数に分けやすくなっています。

1つの株に集中して投資をすると、株価が下がった場合に損失を負う可能性が高いため、株取引においてはリスクを抑えるための手段として、分散投資という考え方が大切になります。

ミニ株の場合では、少ないお金でさまざまな株を買えるため、少額のお金で投資先を分散可能です。そのため、お金が少なくてもリスクを下げた投資が可能なのです。

ミニ株への投資では、失敗した場合の損失が少ないです。

投資経験が少ない場合に通常の取引を行ってしまうと、大きな損失を被る可能性が高いため、慣れる前に大損して市場から撤退を余儀なくされてしまうことがあるかもしれません。

デモトレードで投資を疑似体験することはできますが、実際の取引環境と差があって練習にならないといったケースも想定できます。

ミニ株は用いる資金は少ないながらも、株の取引による損益が保有資産に反映されるため、投資による損益をよりリアルに体験することが可能です。

そのため、収益の目標値を定めて取引を行い、目標を達成して株取引に慣れてきたら、通常の取引に切り替えるといったことも可能です。

ミニ株を買うことの問題点は、そもそも取引可能な株が限定的な点や取引が可能なところが少ない点などが挙げられます。

以下、詳しく確認していきましょう。

ミニ株はそもそも取引の対象となる株の数が限定的です。

投資できる銘柄は会社ごとに異なるため、特定の銘柄を取引したい場合には、まずそれを扱うところを探さなければなりません。そのため、事前にどこがどの株を扱っているかを確認する必要があります。

全ての証券会社でミニ株の取引が行えるわけではありません。

ミニ株の取引を行いたいなら、まずはサービス取り扱いのある証券会社を見つけ、そのうえで、自分が望む株がその会社にあるかをチェックすることが必要です。

既に証券口座を開設しているところがあったとしても、その会社がミニ株を扱っていない場合は別のところで新たに口座を持たなければなりません。

証券会社によって違いますが、ミニ株の取引にかかる手数料は高く設定されているケースが多いです。

相場は約50円～100円であり、1株の手数料が50円だったとして、それを100株あたりに置き換えて考えると、5,000円がかかるのと同じことになります。

通常の取引では100円程度であるため、割高なことがわかります。

ミニ株の取引時間はあらかじめ決められており、好都合なタイミングで取引をすることは基本的に不可能です。

取引時間は前場・後場が始まった直後であるため、仮に株価に動きがあってもそれに応じて株を取引できず、実際に取引が可能なのはその後になってしまいます。

そのため、自分が狙ったタイミングの株価で買うことはできず、結果的に取引額が上がってしまうこともあります。

ミニ株は株を取引する際に希望の値段を指定して注文する「指値注文」ができません。

そのため、自分の考えていた株価から大きくかけ離れた金額で約定することもあります。

投資する手順は、以下のとおりです。

ミニ株を扱う証券会社を選択します。選ぶ時は以下のポイントを重視しましょう。

• 取扱い銘柄数はいくつか
• 取引手数料はどのくらいか

取り扱っている株の数が多いほど選択肢は増え、取引にかかる手数料も少ないほうが利益は出しやすくなります。

続いて、口座を開設します。必要な書類は以下のとおりです。

• マイナンバー確認書類
• 本人確認書類（運転免許証、健康保険証など）

口座を開く時はオンラインで手続きを進めることで、開設までの時間短縮になります。口座を作った後は必要な資金を入金します。入金方法は以下の2種類です。

• 銀行振込:指定の銀行口座に窓口やATMから振り込む方法
• クイック入金:ネットバンキングで即時入金する方法

入金方法によって手数料が変わってくることもあるため、事前に調べておきましょう。

取引したい銘柄を選び、証券会社のWebサイトから売買注文を出しましょう。

ただし、先に述べたように値段を指定しての注文や、都合の良いタイミングでの取引は不可能なため注意しましょう。

ミニ株は少ないお金で投資が可能なため、初心者が株取引の感覚を掴むために行う場合や、本格的な取引を開始する前の練習として行う場合に適した方法です。

扱う証券会社の数は限定されていますが、通常の取引にも使用できるため、今後の本格的な投資を見据えて選ぶのも良いでしょう。

投資が初めての人はミニ株を通じ、少しずつ株取引に慣れていきましょう。