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シャープレシオについて解説
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投資の知識

シャープレシオとは?計算方法や活用方法を徹底解説

2023.11.14

証券コード

シャープレシオSharpe Ratio投資におけるリスクとリターンのバランスを示す指標で投資家がリスクを最小限に抑えつつリターンを最大化するための重要なツールですこの記事ではシャープレシオの基本に焦点を当て具体的な計算方法や活用戦略注意すべきポイントについて詳細に解説します

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    シャープレシオとは?

  • 02.

    シャープレシオの計算方法

  • 03.

    シャープレシオの活用方法

  • 04.

    シャープレシオの注意点

  • 05.

    シャープレシオを活用して効率の良い投資を

シャープレシオとは?

シャープレシオとは投資の効率性を示す指標です具体的な計算方法は次章にて解説しますが投資リターンをリスクで割ることで算出されますシャープレシオの数値が高ければ高いほどリスクを抑えながら高いリターンを獲得できる銘柄であることを示しています

 

例えば10万円をAという投資信託に投資して1年後に11万円になったとしますこの場合リターンは10%となりますしかしその1年間で株価が大きく変動していた場合リスクは高いと言えます

 

一方同じく10万円をBという元本保証の商品に投資して1年後に11万円になったとしますこの場合もリターンはAと同じく10%ですしかし元本が保証されているのでリスクは0ですAとリターンは同じ10%でもリスクはまったく異なります

 

この2つの商品を比較した場合リスクのないBの方が効率の良い投資だと言えますシャープレシオはこのリターンとリスクを組み合わせて数値化し投資の効率性を明確にするのに役立ちます

シャープレシオの計算方法

シャープレシオの計算方法は以下のようになります

 

シャープレシオ ポートフォリオの収益率 安全資産利子率 ÷リスク標準偏差

 

まずポートフォリオの収益率から安全資産利子率リスクフリーレートを差し引きます安全資産利子率は日本では無担保コールレート(コール・ローンの一種の利率)や預貯金国債などが当てはまります

 

この差をポートフォリオのリスク標準偏差で割ればシャープレシオが算出されます標準偏差はデータのばらつきを示す統計的な指標で価格の変動リスクの程度を数値で表現したものです

 

シャープレシオが高ければ高いほど同じリスクを取る場合により多くのリターンを期待できることを示しています

シャープレシオの活用方法

シャープレシオは投資ポートフォリオの最適化に役立つ指標です高いシャープレシオを持つポートフォリオリスクとリターンのバランスが最適化されていると見なされます投資家はシャープレシオを使用してリスクを最小限に抑えつつリターンを最大化するためにどの資産を選択すべきかを判断できます

 

例えば以下のような場面でシャープレシオを活用できます

 

同じカテゴリーの投資信託を比較してリスクを抑えながらリターンを上げている投資信託を選ぶ

 

複数の投資信託を組み合わせてポートフォリオを構築する際に各投資信託のシャープレシオを比較してポートフォリオ全体のリスクを評価する

 

過去の運用実績をもとに将来の運用成績を予測する

 

ただしシャープレシオの利用には注意すべき点もあります

シャープレシオの注意点

注意点1:計算期間によって結果が異なる

 

シャープレシオは過去のリターンデータに基づいて計算されるため計算期間の選択が結果に大きな影響を及ぼします異なる期間で計算を行うと異なるシャープレシオが得られる場合があります

 

また短い計算期間を選択するとリターンの変動が大きく影響しシャープレシオが不安定になる可能性があります一方長い計算期間を選択すると過去のデータが古くなりすぎて現在の市況に合致しない可能性があります

 

注意点2:異なるカテゴリでは公平に比較できない

 

シャープレシオを使用して異なる投資ポートフォリオや資産クラスを比較する場合同じカテゴリのもので比較しましょう異なるカテゴリのポートフォリオを比較するとリスクとリターンの特性が異なるため公平な比較ができません

 

注意点3:未来を予測するものではない

 

シャープレシオはファンドの過去の運用成績を参考にしてリスクを取ってどれだけリターンを得られたかを示す指標ですしかしシャープレシオはあくまでも過去のデータに基づいているため将来も同じような成績が続くとは限りません

 

したがってシャープレシオは将来を予測するための指標ではなく過去の運用成績を評価するための指標として理解することが重要です

 

注意点4:運用成績がマイナスの場合リスクが大きくなるほど数値も大きくなる

 

通常リターンが大きければシャープレシオは高くなりリスクが大きければシャープレシオは低くなりますしかし運用がマイナス成績の場合はシャープレシオの計算式上リスクが大きいほどシャープレシオの数値が大きくなる点に気をつけましょう

 

例えば安全資産利率が0.1リターンが-10%としてリスクが5%A10%Bだった場合下記のようになります

 

A-10-0.1÷5=-2.02

B-10-0.1÷10=-1.01

 

このようにリターンは同じでもリスクが高いBの方が数値は大きくなっていますこれはシャープレシオはリターンとリスクの差をリスクで割って算出する計算式によるものです

 

リターンがマイナスの場合はリスクの数値が大きければ大きいほどシャープレシオの数値も大きくなるので注意が必要です

 

シャープレシオを活用して効率の良い投資を

シャープレシオは株式投資においてリスクとリターンのバランスを測る重要な指標です投資家はシャープレシオを計算し活用することでリスクを最小限に抑えつつリターンを最大化できます

 

しかしシャープレシオは過去の運用成績を数値化したものであり将来の数字ではありませんそのためシャープレシオ単体ではなく他の指標などと併用して効率の良い投資を目指しましょう!

情報提供:シャープレシオとは?計算方法や活用方法を徹底解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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