SNS
投資のポートフォリオについて考え方と作り方を解説
質問する
投資の知識

投資のポートフォリオとは?基本の考え方と作り方

2023.07.07

証券コード

お金をただ銀行に預けておくだけではインフレーションによって価値が減少する可能性があります将来の安定や経済的な目標のためには資産運用が必要です

しかし投資初心者にとってはポートフォリオの作り方やリスクとリターンのバランスがわからないという悩みもあるでしょう

そこで今回は投資のポートフォリオの基本の考え方と作り方について紹介します

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    投資におけるポートフォリオとは

  • 02.

    ポートフォリオはなぜ必要?

  • 03.

    ポートフォリオの基本の作り方

  • 04.

    参考にしたいポートフォリオ例

  • 05.

    ポートフォリオの注意点

  • 06.

    リスクを過度に恐れず自分に合ったポートフォリオを作ろう

投資におけるポートフォリオとは

投資におけるポートフォリオとは投資家が保有する複数の金融商品の組み合わせのことです

 

ポートフォリオを組む目的は資金を異なる投資先に分散させることでリスクを管理し期待されるリターンを最大化することです

 

ポートフォリオの作り方は個人の状況や目標によって異なり投資家自身のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオをカスタマイズする必要があります

ポートフォリオはなぜ必要?

投資においてリスクを適切に分散させることはとても大切ですリスクを分散させるためには投資資金を異なる金融商品に振り分けリスク管理を行うことが求められますがこのリスク管理のための分散投資においてポートフォリオは重要な役割を果たします

 

ここからは投資における主なリスクを紹介します

投資にはリスクがある

投資におけるリスクとは投資をした資産の価値が下がり損失を被る可能性を指します投資は市場の変動や経済状況によって影響を受けるため以下のようなリスクが存在します

株価リスク

株式市場の変動により保有している株式の価格が上下するリスクです企業の業績経済情勢の変化市場のニュースやイベントなどが株価に影響を与えます

信用リスク

信用リスクとは貸し手や投資家が金融商品や借り手に資金を提供する際に債務不履行デフォルト返済不能になるリスクを指しますつまり借り手が契約通りの返済を果たせない可能性があるというリスクです

 

具体的には企業や政府が発行する債券やローン金融機関が融資する場合などで信用リスクが存在します

流動性リスク

投資商品を売買する際の市場の流動性の低下取引量の減少により売却や購入が難しくなるリスクです流動性の低い商品や市場では価格が大きく変動することがあります

 

例えば不動産は高額のため売買に時間がかかり需要や市場状況の変化によって売却が難しくなる点が流動性リスクとして挙げられます

金利リスク

債券やローンなどの金利が変動することにより価値や利回りに影響を与えるリスクです

 

金利が上昇すると債券価格が下落逆に金利が下がると債券価格が上昇する傾向があります

為替リスク

外国為替市場の変動により異なる通貨間での投資や取引において損失が発生するリスクです

 

通貨の価値変動は経済の変化や政治的な要因によって影響を受けます

 

もし海外資産を保有していた場合日本円で保有している外国の資産株式債券不動産などの価値が日本円に対して相対的に下がればその資産の評価額は減少します

リスクを軽減させるには分散投資が効果的

分散投資の方法にはいくつかのアプローチがありますポートフォリオを作る際には次のような方法を活用しましょう

金融商品の分散

異なる金融商品を組み合わせることでリスクを分散させる方法です

 

例えば株式債券不動産コモディティなど異なる金融商品に投資することで異なる市場の動きやリスク要因に対するバランスを取ることができます

銘柄の分散

同じ金融商品でも複数の銘柄に投資することで特定の銘柄リスクに対する分散効果を得る方法です

 

例えば株式投資においては複数の企業の株式に分散投資することで個別の企業の業績やリスクによる影響を軽減することができます

地域の分散

異なる地域や国への投資を組み合わせることで地域経済や通貨のリスクを分散する方法です

 

例えば国内外の株式や債券市場に投資することで国内市場のリスクに対するヘッジ効果や成長が期待される海外市場への参加を図ることができます

時間の分散

投資を一度に行うのではなく複数のタイミングで分散して投資する方法です

 

例えば定期的に一定額を投資する積立投資をすることで市場の価格変動リスクを分散し平均的な購入単価を抑える効果ドルコスト平均法を得ることができます

ポートフォリオの基本の作り方

ポートフォリオを作る際はいきなり金融商品を選ぶのではなく自身が投資に回せる金額から考え始める必要があります

 

次に投資目標運用期間どのくらいのリスクがとれるかを明確にしてから投資先を選ぶプロセスに進めるのです

 

ここからはポートフォリオの基本の作り方を順を追って説明します

予算の決定

ポートフォリオを作る前に毎月の収入から貯金や投資に回せる金額を把握することは非常に重要です

 

まず毎月の正確な収入を把握しましょう給与や事業収入その他の収入源などすべての収入をリストアップします

 

収入を把握したら支出を分析しましょう固定費家賃光熱費ローンなど変動費食品交通費娯楽などを合計して月々にどれくらいの金額が必要かを把握します

 

収入から支出を差し引いた残りの金額が貯金や投資に回せる金額ですどれだけの金額を投資に割けるかを明確にします

投資目標と運用期間の設定

自身の投資目標を明確にします退職後の生活費教育のための資金など具体的な目標を設定しましょう

 

投資期間あと何年で退職を迎えるのか教育資金が必要になるまで何年あるのかなどを計算しておきます

リスク許容度

リスク許容度損失をどれだけ受け入れられるかどれくらいの変動に耐えられるかなどを示します

 

リスク許容度は個人の金融状況目標や期間などに基づいて決めます

 

例えば退職までに十分な資金を築くことが目標で投資期間がまだ数十年ある場合長期的な視点でのリスクを許容することが可能です株式などのハイリターンな金融商品を選んで投資することを検討するといいでしょう

金融商品の選択

異なる金融商品株式投資信託債券などから投資先を選びます

 

金融商品選択はリスクとリターンのバランスを考慮しポートフォリオの分散を実現するために重要です

 

一般的にリスクが高い金融商品は株式ハイリスクである代わりにハイリターンが期待できます

 

ついで投資信託債券国債の順にリスクが下がっていきます

資産の配分

各金融商品への資金配分を決定します

 

例えば株式に50%債券に30%不動産に20%などのように配分します

 

配分する際は目標やリスク許容度に合わせて調整しましょう

個別資産の選択

資金の配分が決まったらそれを基に各金融商品内で個別の銘柄や投資ファンドを選択します

 

株式の場合は特定の企業の株や株式ファンドを選び債券の場合は特定の債券や債券ファンドを選びます

参考にしたいポートフォリオ例

まずは日本の国民年金や厚生年金共済年金などの公的年金制度の運用資金を管理運用する公的機関年金積立金管理運用独立行政法人GPIFのポートフォリオを見てみましょう

  • 国内株式25
  • 国内債券25
  • 外国株式25
  • 外国債券25

GPIF長期的な視点での資産運用を重視しており株式債券不動産インフラ投資など幅広い資産クラスに投資しています長期投資を考えている方は参考にしてみるのも良いかもしれません

続いてリスクとリターンの観点から3種類のポートフォリオを紹介します

とにかくリスクを抑えたい安定重視の場合

  • 国内債券70
  • 国内株式15
  • 国内REIT15

 

国内債券は比較的安定した収益を提供する資産です国内の政府や企業から発行される債券に投資することで金利を得ることが可能です

 

債券の価格変動リスクは一般的に低く相対的に安全な運用とされます

 

国内株式はリターンが高い一方価格変動リスクも高い傾向にある金融商品です

 

15%の割合で投資することで株式市場の成長に一定のポジションを持ちつつリスクを抑えてバランスをとります

 

国内REIT不動産投資信託安定した収益を提供する金融商品ですさまざまな不動産に分散投資を行うことで安定した家賃収入や売却益を分配してもらえます

 

不動産市場の価格変動リスクは株式市場ほどではなくリスクを抑えながら収益を追求するための一部ポジションとして適しています

リスクを抑えつつ一定のリターンを狙う場合

  • 国内債券40
  • 国内株式30
  • 国内REIT20
  • 外国株式10

 

このポートフォリオでは安定した収益を提供する国内債券を中心に株式や不動産にも分散投資しています

 

国内債券の割合を高めることでリスクを抑えつつ一定のリターンを狙うとともに外国株式を少量含めることでグローバルな経済成長にも一部ポジションを持つことができます

リスクを取りながら積極的にリターンを狙う場合

  • 先進国株式50%
  • 新興国株式30%
  • 先進国債券10%
  • 新興国債券10%

 

先進国株式とは経済的に発展した国の企業株式のことでリターンが高い一方価格変動リスクも高いのが特徴です

 

新興国株式とは経済的に発展途上の国の企業株式でこれらの市場は成長ポテンシャルが高い反面政治的経済的なリスクが存在することも確かです

 

30%の割合で投資することで成長が見込まれる新興国市場にもポジションを持ちつつリターンを追求します

 

リスク管理の観点から一部資産を債券に配分しリスクの分散を図っています

ポートフォリオの注意点

ポートフォリオを作成する際の注意点には以下のようなものがあります

分散させすぎると管理しきれなくなる

リスクを分散し資産が着実に増えるような組み方を考えることが重要ですが分散しすぎると管理しきれなくなるため適切な銘柄数にとどめることが必要です

 

例えば自分が無理なく把握できる56銘柄くらいに絞ることがおすすめです

ポートフォリオは定期的にリバランスを

ポートフォリオを定期的に見直し資産配分の再調整リバランスを行うことが重要です

 

資産運用は長期的なものでありある程度の一貫性が必要ですが経済状況や株価の動きによってポートフォリオのバランスが乖離する場合は見直す必要があります

 

短期であれば3カ月ごと長くとも1年ごとにリバランスすることを推奨します

運用資金が少ない場合は投資信託に任せるのも一手

運用資金が少ない場合は投資信託を活用することも検討しましょう

 

投資信託は少額から始めることができ自分でポートフォリオを組まずともファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが分散投資を行ってくれます

 

信託報酬や手数料などのコストはかかりますが専門家に運用をおまかせできる点で投資初心者や忙しい会社員などにも向いていると言えるでしょう

リスクを過度に恐れず自分に合ったポートフォリオを作ろう

ポートフォリオの作成は資産運用において重要なステップです

 

ポートフォリオを作ることで資産運用のバランスや偏りを明確に把握することができます

 

またリスクを理解することも投資において重要な要素ですただし損失を恐れてすべてのリスクを小さくすることは必ずしも最善の選択ではありません

 

ハイリスクハイリターンを期待できる商品とローリスクローリターンの商品を組み合わせたり異なる値動きをする商品を組み合わせることで結果的にローリスクハイリターンを目指すことも可能です

 

重要なのはリスクを危険や損失としてだけではなく起こりうる可能性として捉えそれに備えておくことです

 

リスク管理を適切に行いながら自身の目標やリスク許容度に合わせたポートフォリオを作ることが成功への道です

情報提供:投資のポートフォリオとは?基本の考え方と作り方
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

総括

SHARE
1