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ESG投資について解説
成り立ちやメリット注意点などを紹介します
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投資の知識

ESG投資とは?成り立ちやメリット注意点を解説

2023.01.14

証券コード

近年国内外にて注目されているESG投資をご存知でしょうか

今回はまだあまり知られていないESG投資についてその種類メリット注意点といった部分を解説していきます

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    世界中から注目を集めるESG投資

  • 02.

    ESG投資の7つの種類

  • 03.

    ESG投資のメリット

  • 04.

    ESG投資の注意点

  • 05.

    ESG投資を始めるには?

  • 06.

    ESG投資には長期的な資産運用がおすすめ

世界中から注目を集めるESG投資

ESG投資とは?

ESG投資は従来の投資と異なり財務情報に加え環境Environment社会SocialガバナンスGovernanceを加味したうえで行う投資のこと

 

主に年金基金といった莫大な資金を数10年単位で運用する機関投資家などに好まれています企業経営の持続可能性を重視するサステナビリティ経営という概念が普及したことで近年ESG投資の注目度も高まってきています

 

ESG投資で注目される部分の例としては地球温暖化をはじめとする気候変動などを踏まえ長期的にリスクマネジメントを行う廃棄ロスを減らし環境への負担を減らすといったことが挙げられ国連持続可能な開発目標SDGsと併せて注目されています

拡大を続けるESG投資の市場規模

世界のESG投資額の統計を取っている国際団体Global Sustainable Investment AllianceGSIAが発表している調査によると世界で見たESG投資の残高は2016年~2020年の間に約13兆ドル増加しておりその市場規模は拡大傾向にあります

 

また地域別に見た場合アメリカだけで2016年~2020年の間に約9兆ドル増加しその額は倍以上となっています

日本におけるESG投資

2015年に日本ではESGの観点から投資を行えるようその視点を取り入れることなどを原則としている国連責任投資原則PRIに対し日本の年金積立金管理運用独立行政法人GPIFによる署名が行われました

 

この署名を受け現在日本ではESG投資が広がりつつあります

 

GSIAの調査によると日本では2016年から2020年の間でおよそ24,000億ドル増加しましたが全体の投資額に占めるESG投資の割合は24.3%程度となっています

 

同じ調査でカナダでは61.8%の数字が出ていることからも日本国内でのESG投資額普及率などは低水準と言えます

ESG投資の7つの種類

ESG投資の種類は下記の7順に解説していきます

  1. ネガティブスクリーニング
  2. ポジティブスクリーニング
  3. 国際的規範に基づくスクリーニング
  4. ESGインテグレーション
  5. サステナビリティテーマ型投資
  6. インパクト/コミュニティ投資
  7. 企業エンゲージメント

1.ネガティブスクリーニング

ネガティブスクリーニングとはESGの観点にそぐわないあるいはESGの観点から見て問題がある業種や企業をスクリーニング審査選定することで投資対象から外す投資方法です

 

1920年代の米宗教団体がタバコ賭博といったことに関連する銘柄を教義に反するとして投資先からスクリーニングし外したことが始まりと言われており最古のESG投資手法とされています

 

現在では酒やタバコ以外に化石燃料石油石炭など原子力発電温室効果ガス排出武器製造業ポルノ関連業種などの銘柄も投資対象から外されることが多いです

2.ポジティブスクリーニング

ポジティブスクリーニングはネガティブスクリーニングと対照になる投資方法ESGの観点から見て評価されている業種企業に投資を行いますまた投資先の選択にはESG格付けと呼ばれる指数を用います

 

主な指数はMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数と呼ばれるものこの指数に採用されている日本企業にはオムロンやソニーといった大手がおりMSCI社によるESG格付において最高評価を得ています

 

MSCI社はアメリカ合衆国ニューヨークに本拠がある金融サービス企業株価指数の算出ポートフォリオ分析などを行っている

3.国際的規範に基づくスクリーニング

国際的規範に基づくスクリーニングはネガティブスクリーニングと少し似ています具体的にはESGの観点に合った国際規範をもとに最低限の基準をクリアできていない企業を投資対象から外すというものであり審査し選定するという部分は同じです

 

スクリーニングの基準とされる国際規範には国際労働機関ILOによって定められている児童労働強制労働に関する条約などがあり例示したもの以外にも基準とされる規範は数多く存在しています

 

ただしどの国際規範を採用しスクリーニングを行うかは各投資家がそれぞれ自分で決めるため何を重視するかによって基準とされる国際規範が異なります

4ESGインテグレーション

ESGインテグレーションとは投資先を選ぶ際従来の評価プロセスに加えESGに関する取り組みを行っているか?を評価し総合的に投資判断を行う投資法ですESG投資の中で最も主流とされている投資法でもあります

 

具体的にESGインテグレーションでは環境や従業員へ配慮した取り組みができているかといった部分を評価します

 

ただしもちろん財務情報も従来通り評価対象でありそれに加えESGに関連する取り組みという非財務情報を評価するのがESGインテグレーションですあくまで総合的な評価で投資対象を決めるという点を覚えておきましょう

5.サステナビリティテーマ型投資

サステナビリティテーマ型投資はその名の通り持続可能性サステナビリティに注目し判断を行う投資法です

 

近年話題となっている再生可能エネルギー汚染水の処理といったテーマ型のものがあり投資信託商品などとして扱われています

 

また株式の他ほか債券にも同様のものがあり具体的には企業をはじめ国自治体が環境保全活動に関する資金調達を目的に発行するグリーンボンドなどもサステナビリティテーマ型投資に該当します

6.インパクト/コミュニティ投資

インパクト/コミュニティ投資とは経済的なリターンを重視する他ポジティブな社会的影響環境的影響をどれだけ生み出すかといった点を重視する投資法です

 

社会的影響環境的影響と経済的リターンのどちらを重視するかで呼び名が異なりGSIAでは社会的影響環境的影響を重視する場合をコミュニティ投資経済的なリターンを重視する場合をインパクト投資と呼ぶとしています

 

またインパクト/コミュニティ投資ではESGに関連した取り組みによりどの程度の好影響を生み出したかを数値化し評価します例えば新興国における教育支援であれば子供たちの識字率や就学率の向上具合を支援前の数値と比較し評価します

7.企業エンゲージメント

エンゲージメントとは投資家が投資先と行う対話対談などのこと経営陣との対話株主総会などその例はさまざまですエンゲージメントを行う投資家は一般的に物言う株主とも呼ばれます

 

企業エンゲージメントは投資対象の企業へESG問題へ取り組むことを直接訴える投資法主に経営陣との対話株主総会における議決権行使といった方法で要求を行います

 

訴えの結果取り組みや改善がなされない場合には投資対象から外すといった行動が取られることも各投資家によって判断や行動は異なりますが他のESG投資の方法に比べかなり直接的である点をしっかり押さえておきましょう

ESG投資のメリット

ESG投資のメリットは下記の2順に解説していきます

  1. 長期的な資産形成が期待できる
  2. 社会貢献をしている企業の後押しができる

1.長期的な資産形成が期待できる

ESG投資は短期的なリターンを目的とする投資ではなく長期的なリターンを目的として行われる投資です

 

特にESGに関連した取り組みを行う企業はポジティブスクリーニングなどによって機関投資家のESG投資の対象となる可能性が高いと言えますつまり中長期な資金流入が見込まれ利益につながる可能性も高まるわけです

 

また企業がESGに関する取り組みを行っている場合近年注目されているサステナビリティ経営の概念にそっているため将来的な成長にも期待が持てます

 

反対にESGに関連した取り組みを行わない場合投資先として検討されなくなるだけでなく資金を引き揚げてしまう投資家が増える可能性も特に投資中の株式債券投資信託などから資金を回収することをダイベストメントと呼びます

 

また事例としてオランダの年金機構であるABPタバコの製造メーカー核兵器の製造メーカーを投資対象から外すという内容を公表しています近年ESGに関連したダイベストメントは増えていますのでしっかり覚えておきましょう

2.社会貢献をしている企業の後押しができる

ESG投資は環境問題社会運動などの解決推進につながるためジェンダー問題や地球温暖化問題などに取り組む企業の後押しができますまたそうした取り組みによってESGへの好影響が確認されれば投資額も増え利益の増加も見込まれます

 

また環境問題に関連した取り組みについてはグリーンボンドにて資金調達が可能実際に利用する企業の数も増加中です企業のアピールにもつながるほか投資先にもなるため投資家企業ともに大きなメリットがあると言えます

ESG投資の注意点

ESG投資の注意点は下記の2順に解説していきます

  1. 短期のリターンには期待できない
  2. グリーンウォッシュを行う企業がある

1.短期のリターンには期待できない

一般的な投資とESG投資では投資先を判断するのに必要な材料が異なります具体的にESG投資の場合環境問題への取り組みといった非財務情報が必要でありこうしたESGに関連した取り組みのスパンは長いです

 

つまり短期的な利益を期待するには不向きな投資と言えるわけです

2.グリーンウォッシュを行う企業がある

グリーンウォッシュとはESGに関連した取り組みは行っていないにも関わらず取り組んでいるように見せかけること企業への直接的な投資の際はもちろん注意が必要ですが投資信託の中に含まれている可能性もあるためご注意ください

 

グリーンウォッシュを見抜いて回避する方法についてですがおすすめなのはIR情報の確認+第三者による評価レポートといった複数の情報を組み合わせて精査することですIRのみで判断すると情報を見落とす可能性もあるためご注意ください

ESG投資を始めるには?

ESG投資の始め方には主に2つあり株式や債券を購入する方法投資信託を行う方法のどちらかが考えられます初心者には判断が難しい面があるほか銘柄選択の手間が省けるためおすすめは投資信託です

 

ESGに関連した有名な投資信託は主に下記の3

  1. グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド通称 未来の世界
  2. Smart-i 国内株式ESG インデックス
  3. ベイリーキフォードインパクト投資ファンド通称 ポジティブチェンジ

 

国内企業への投資には2つ目のSmart-i 国内株式ESG インデックスグローバルな投資には1つ目のグローバルESGハイクオリティ成長株式ファンドがおすすめです

 

また分散投資ではなく集中投資でハイリターンを狙いたい方には3つ目のベイリーキフォードインパクト投資ファンドがおすすめです

ESG投資には長期的な資産運用がおすすめ

ESG投資について成り立ちやメリット注意点を解説しました

 

ESG投資は従来の投資と異なり環境社会ガバナンスといった項目が絡みますそのため少しむずかしそう…などと感じた場合にはぜひ投資信託から始めてみてください

情報提供:ESG投資とは?成り立ちやメリット注意点を解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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