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持っている株が上場廃止になったらどうなる?
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投資の知識

儲かることも?持っている株が上場廃止になったらどうなる?

2023.06.25

証券コード

上場廃止とは金融商品取引所が定める上場廃止基準に該当したり企業自らが申請をしたりすることで金融商品取引所での取引の対象から外れ市場での売買ができなくなることをいいます

上場廃止と聞くとマイナスのイメージが強いため経営破綻が原因?と不安を抱く人も多いはず

上場廃止にはいくつかの理由がありネガティブな状況のみを表すのではなくむしろ経営戦略の1つになることもあります

本記事では上場廃止の理由や上場廃止のメリットについても詳しく説明しますのでぜひ参考にしてください

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    上場廃止の発表後の株式は整理銘柄になる

  • 02.

    企業が上場廃止する理由2

  • 03.

    経営戦略的な上場廃止なら儲かることも

  • 04.

    上場廃止は理由が大きな鍵!

上場廃止の発表後の株式は整理銘柄になる

金融商品取引所が定める上場廃止基準に該当するなどして上場廃止が決定しても直ちに上場が廃止するわけではありません

 

一定期間(原則1ヶ月間)整理銘柄に指定され上場廃止の事実を投資者に周知するとともに投資者が整理売買を行うなどの対応が取れるようにします

 

更に一般的には上場廃止決定前に監理銘柄に指定されます監理銘柄とは上場廃止基準に該当する恐れがある場合に投資者にその事実を周知し投資者が上場廃止に備えた対応が取れる期間を設けるものです

 

その後上場廃止が決定すると整理銘柄に指定されるという流れになりますので持っている株が上場廃止の恐れがある場合も焦らず対応することが大切です

企業が上場廃止する理由2

企業が上場廃止する理由は大きく分けて2つ挙げられます

 

  • 経営破綻など上場廃止基準に該当するケース
  • 完全子会社化など経営戦略的な理由

 

上場廃止は原因や理由によって株の価値に大きな影響を及ぼします持っている株が上場廃止した場合には企業のホームページを確認するなどしっかりと理由を把握することが必要です

経営破綻など上場廃止基準に該当するケース

上場廃止の1つ目の理由が経営破綻などのいわゆるネガティブな理由に該当するケースです日本取引所グループが定める上場廃止基準には以下の6つの項目があります

 

  1. 上場維持基準への不適合
  2. 有価証券報告書等の提出遅延
  3. 虚偽記載又は不適正意見等
  4. 特設注意市場銘柄等
  5. 上場契約違反等
  6. その他

 

引用:上場廃止基準の概要 | 日本取引所グループ

 

その他の理由のうちネガティブな理由として以下の項目などが挙げられます

  • 破産手続や会社更生計画民事再生計画がなされた場合
  • 銀行取引が停止された場合
  • 事業活動が停止された場合
  • 反社会的勢力の関与が認められた場合

 

経営破綻した企業が上場廃止した場合企業に返済の義務はなく株式はほとんど価値を持たないものになる可能性があるので注意が必要です

 

一方でこれまで上場廃止した企業をみると15の項目に該当した企業は非常に少なく破産手続による上場廃止企業も数件ある程度です

 

それでは多くの上場廃止企業が該当する上場廃止の理由についてどのようなものがあるのでしょうか次で詳しく説明します

完全子会社化など経営戦略的な理由

上場廃止基準の項目のいずれにも該当せず経営破綻などのネガティブな理由でない場合はいわゆる経営戦略的な理由で上場廃止していることがあります

 

上場廃止基準におけるその他の理由のうち経営戦略的な理由として挙げられるのは以下の通りです

 

親会社が株式を100%取得し完全子会社化された場合

特別支配株主(総株主の議決権の内10分の9以上を有する株主)が少数株主の株式などを強制的に取得する株式等売渡請求によって取得された場合

発行済みの株式数を減らすため複数の株式を1株に統合する株式統合がなされた場合

 

上記の理由によって上場廃止する場合は企業の合併や買収により企業の経営権を集中強化させる成長戦略(MA)の一種であることが多いといえます

 

経営戦略を目的とした上場廃止には以下のようなメリットがあります

 

株主に公開するための財務状況を整理したり監査法人へ依頼したりする際のコストが削減できる

経営における判断を下す際その都度株主の意向を確認する必要がなくなるので迅速に判断できるほか経営における自由度が増す

株式の自由な売買ができなくなることで敵対的な買収及び外部からの経営関与を回避できる

 

上記のように上場を廃止して株式を非公開することで企業が中長期的に経営を伸ばすための戦略になり得るのです

経営戦略的な上場廃止なら儲かることも

経営戦略的な上場廃止をした株式を所有している場合投資家はどう対応すれば良いのでしょうか

 

上場廃止が決定した株式は整理株式に指定され一定期間上場廃止の事実を投資者に周知し整理売買するなどの措置を取れる期間が設けられます

 

経営戦略的な目的で上場廃止する企業はその後経営を続けても市場での株式の売買ができなくなるため基本的には他の企業や上場廃止する企業自らが株式を買収する形になります

 

これまで上場廃止を行った企業に多くみられる完全子会社化やMOB(経営陣によって株式を買収する)と呼ばれるケースの場合不特定多数の人に対して買付価格などを公開して取引所外で買い付けるTOB(株式公開買付)が行われることがあります

 

通常TOBでは保有している株式を売ってもらえるように勧誘するので市場価格にプレミアムを付与した価格を公開します

 

付与されたプレミアムの分が利益となり結果上場廃止による株価の上昇で儲かることがあるのです

上場廃止は理由が大きな鍵!

保有している株式の企業が上場廃止すると聞くとマイナスなイメージが先行して焦ってしまうかもしれません

 

しかし上場廃止が決定してもすぐに売買ができなくなるわけではありません

 

またこれまでの上場廃止企業の多くが経営戦略の1つとして上場廃止を行っていることを理解し情報収集をしながら正しく売買すれば儲かることも十分あり得ます

 

まずは上場廃止の理由をしっかりと把握し焦らず対応することが大切です

情報提供:儲かることも?持っている株が上場廃止になったらどうなる?
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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