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投資の知識

責任投資原則PRIとは?ESG投資の基礎知識

2022.12.15

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近年世界中で関心が高まっている環境問題や社会問題これらの問題は日常生活だけでなく投資活動をするうえでも重視されつつあります本記事では投資活動の視点から環境問題や社会問題に言及している責任投資原則PRIについて詳しく解説しますPRIESG投資には欠かせない基礎知識であるため十分理解しておきましょう

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    責任投資原則PRIとは?

  • 02.

    PRI6つの原則

  • 03.

    PRIの影響力は加速度的に増している

  • 04.

    個人投資家も企業のESG情報をチェックするべき?

  • 05.

    ESG投資の基礎知識を理解して投資活動に役立てよう

責任投資原則PRIとは?

責任投資原則PRIPrinciples for Responsible Investmentとは2006年の国連事務総長であるコフィーアナン氏が世界の金融業界に向けて提唱した投資原則のことですこの投資原則では投資家が投資を行う際に ESG 課題を考慮した投資行動を求めています

ESG課題とは

ESGとは環境(Environment)社会(Social)企業統治(Governance)の頭文字を取った言葉です現代において企業が長期的に成長するために欠かせないポイントとも言われています

ESG課題の具体例としては気候変動や森林破壊などの環境問題人権侵害や強制労働などの社会問題贈収賄や汚職などの企業統治問題が挙げられますESGの観点から考えるとこれら3つのポイントを意識できていない企業は長期的な成長が見込めない企業であることを意味しています

なぜ投資判断にESG課題を組み込むのか

ESG課題を投資判断に組み込む理由は世界全体がESG 課題を意識した方向へ向かってほしいという思いがあるからです

 

ESG経営に取り組む企業はそれ自体が多様化する経営リスクの低減にもつながり持続可能性の高い経営を実現することができますさらに取引先や顧客からの共感を得て信頼を獲得することにもつながるでしょう結果としてESG課題を無視して短期的な利益だけを追求する企業よりも経営が安定金融機関や投資家からの資金も集まりやすくなる可能性が高いと言えます

年金基金や慈善団体などの大きな資金を動かす機関投資家は社会にプラスの影響を与える企業に対して自分たちの資金を投資したいと考えていますこのようなお金を流す投資家の行動が変わることでお金を受け取る企業の行動も変わり社会全体がESG 課題を意識した方向に向かうことが期待されています

PRI6つの原則

PRIが提唱された理由の1つに短期的な利益の追求による企業の不祥事が相次いでいたことが挙げられますPRIの提唱で投資家にESG課題を意識させることによって企業側の意識も短期から長期の利益追求に向かわせようと考えられたのです

そんなPRI以下の6つの原則から構成されています

  1. 私たちは投資分析と意思決定のプロセスに ESGの課題を組み込みます
  2. 私たちは活動的な株式所有者になり株式の所有方針と株式の所有慣習に ESG 問題を組み入れます
  3. 私たちは投資対象の主体に対して ESGの課題について適切な開示を求めます
  4. 私たちは資産運用業界において原則が受け入れられ実行に移されるように働きかけを行います
  5. 私たちは本原則を実行する際の効果を高めるために協働します
  6. 私たちは本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します

この6つの原則からわかることはPRIが署名機関に対して投資活動ではESG課題を考慮すること投資対象を決めたらESG情報の開示を求めることなどを促していることですそして署名機関同士で交流することも求めています

PRIの影響力は加速度的に増している

PRIの署名機関の数は年々増えています提唱された翌年の2007年の署名機関数は185社でしたがそこから3年ごとに見ていくと2010年で7342013年で1,1862016年で1,5012019年には2,372社と増えています

 

そして202212月現在では5,289となっておりさらに加速度的に増えているのがわかるでしょう世界的にPRIへの関心が高まっていると言えます

一方日本のPRI署名機関数は202212月現在120となり徐々に増えつつありますが世界の中では少ない方です

 

日本で署名が伸び悩む背景には年金基金のためらいが影響していると言われていますためらう理由としてPRIに署名するメリットがまだ定着しきれていないことやPRIに署名することで生じる事務的な負担に対して人材確保ができないことなどがあるようです

 

個人投資家も企業のESG情報をチェックするべき?

個人投資家も企業の ESG 情報をチェックするべきだといえますなぜなら企業のESG情報をチェックすることで企業の数年先の予測が可能となるからです

投資する際は長期目線で投資することで結果的にパフォーマンスが良くなるといわれています短期で値を追うことはなかなか難しく投資先を変えるごとにコストもかかるため全体のパフォーマンスはあまりよくならないのです一方長期的に高い成長が見込める企業であれば日々の値動きに左右されずどっしりと構えて長期投資ができます

そんな長期投資に大切なのが企業のESG情報です個人投資家はESG情報をチェックして企業の数年先を見据えることで長期目線の投資先を見つけやすくなります

ESG投資の基礎知識を理解して投資活動に役立てよう

PRIは世界の金融業界に向けてESG課題を考慮した投資行動を求めるものです日本ではPRIの署名機関数がまだ少ないのですが世界では加速度的に関心が高まっています今後の投資活動においてPRIは欠かせないものになってくると予想されるためこの記事を参考に企業のESG情報を意識するなど日々の投資活動に役立ててください

情報提供:責任投資原則PRIとは?ESG投資の基礎知識
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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