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投資の知識

PBRとは?意味や計算式PERとの違い使い方まで詳しく解説

2022.10.20

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株式投資の基本は株を安く買って高く売ることですですが株価を見ただけでこの株は安いと判断するのは難しいでしょう

安い高いを見極めるには基準が必要になりますそこで登場するのが割安感を測る指標であるPBRです

銘柄選びに役立つ株価指標として有名ですから最低限覚えておきたい知識の1つです

今回はPBRの意味と計算式PERとの違い 使い方までを詳しく解説していきます

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    PBRとは?

  • 02.

    PBRPERの違い

  • 03.

    PBRで株の割安度を判断するには

  • 04.

    業種によってもPBRの傾向が異なる

  • 05.

    PBRを見るときの注意点

  • 06.

    他の指標と併せて総合的な判断を

PBRとは?

PBRとはPrice Book-Value Ratio株価純資産倍率の略です

 

企業の成長性を分析する指標であり企業の純資産に対して現在の株価が割安なのか割高なのかを判断する際に利用されます

 

PBRを算出するのに用いられるのがBPS 1株当たりの純資産です

 

株価とBPS 1株当たりの純資産が等しければPBR1株価の方が安ければPBRが低くなりその銘柄は割安であると判断されます

BPSとは

PBRを理解するためにまずBPS1株当たり純資産について知っておきましょう

 

純資産とは企業の総資産から負債を差し引いた金額で純粋にその企業の資産となる部分です

 

純資産は企業の資産のうち株主が所有する部分のことで企業が解散した場合に株主に分配される資産であるため解散価値とも呼ばれています

 

この純資産を1株あたりで割ったのがBPSです

 

BPS=純資産÷発行済株式数

 

BPSの数値が高いほど純資産が多く負債が少ないので安定した企業であると判断されます

PBRの計算方法

PBR株価をBPS1株あたり純資産で割って算出しますこれにより現在の株価がBPSの何倍に相当するかを見るわけです

 

計算式は以下の通りです

 

PBR() =株価÷ BPS(1株あたり純資産)

 

上記の計算式で株価700円でBPS1株あたり純資産1,000円の企業を例としてPBRを算出してみましょう

 

700÷1,0000.7

 

本来は1,000円を払わなければ手に入らない銘柄を700円で買えたと考えられるため割安だといえます

 

PBR1倍未満になるのは株価がBPSを下回っている場合です

 

純資産と株価を天秤にかけたときにバランスが取れているならPBR1と覚えておくといいでしょう

PBRPERの違い

株の割安さを測るにはPBRのほかにPER 株価収益率という指標を利用することもできます

 

PEREPS1株あたりの当期純利益)に対して株価がどの程度まで買われているかを見みる指標です

 

PBRPERの違いは何を基準に計算しているのかという点にあります

 

具体的にはPBR純資産を基準としPER純利益を基準として計算します

 

PERの使い方はPBRと同様です1倍を目安として数値が低いほど割安と判断されます

 

ただし業種によってPERの水準が変動するためただ単に1倍以上か未満かを見るのではなく同業他社と比較するのが一般的です

PBRで株の割安度を判断するには

これまでPBRの意味や計算方法について説明してきましたが具体的にはPBRの値がどのくらいなら割安といえるのでしょうか

 

PBR で割安かどうかを判断する基準は1ですPBR 1 倍を上回れば割高1 倍を下回れば割安とされています

PBR1倍を上回る:株価は割高

PBR1倍を上回る場合株式市場ではその企業が高く評価され本来の純資産の価値よりも高い値で取り引きされていることを意味します

 

例えばBPS (1株あたりの純資産)1,000円で株価も1,000円であればPBR1倍となり妥当な水準です

 

しかし株価が1,500円であればPBR1.5倍になり割高だと判断されます

 

収益性の高い企業や今後の成長が期待される企業は株式投資家などからのニーズが高まるため株価が上昇PBR1倍を上回り割高となります

 

言い換えればPBRが高い銘柄は人気が高いのです

 

将来性を重視するならPBR1倍を上回る銘柄を買うのも悪くないでしょう

PBR1倍を下回る:株価は割安

PBR1倍を下回るならその銘柄は割安であるといえます

 

例えばPBR0.8倍の場合純資産価値が1,000円の銘柄を800円で買えることを意味しますつまり本来よりも20%お得に購入できるのです

 

PBR0.8=株価800円÷BPS(1株あたり純資産)1,000

 

PBR1倍を下回る銘柄は割安であり買い場と見ることができますがただ1つ問題がありますそれはPBR1倍を下回っている理由が企業の赤字業績悪化によるものという可能性があることです

 

株価が下がることでPBRも下がります赤字続きで株価が下がっているのならPBR1倍未満の銘柄であっても投資対象とすべきではありません

 

単純にPBR1倍を下回っているから割安だと判断するのではなくなぜその企業のPBRが低いのかを調べる必要があります

 

さまざまな情報からその企業が赤字業績悪化に陥っていないとわかったときだけ買いを検討しましょう

新興のベンチャー企業などはPBRが高くなる傾向

PBRの数値は企業の成長段階によっても差が出てきます

 

企業の成長は大きく分けて創業期成長期成熟期衰退期という4つの段階を踏みます

 

新興のベンチャー企業は創業期にあたり一般的に純資産が少ないためにBPSが低くPBRが高くなりがちです

 

その原因は創業期の企業の多くは借入れが多くなるため負債比率が高くなりやすい点にあります

 

総資産ー負債=純資産ですから負債が増えれば純資産が減りPBRも高くなります

 

そのためPBRの数値が高いからといって割高であると決めつけられるものではありません

業種によってもPBRの傾向が異なる

PBRは業種によっても傾向が異なります

 

日本取引所グループJPXが発表した20224月の規模別業種別のPBR一覧によるとプライム市場では銀行業のPBR平均を0.3情報通信業は2.3としています

仮に買いたい銘柄が銀行業だった場合PBR0.7倍でも割高になります

 

また情報通信業でPBR0.9倍などと低い銘柄は割安すぎるためその企業が業績悪化に陥っていないか調べることが賢明です

 

このようにPBRの平均は業種ごとに差異があるためPBRで企業の割安さを判断する際は業界水準と比較しましょう

PBRを見るときの注意点

PBRは割安な銘柄を探すのに重要な指標ですがいくつか注意すべき点があります

 

PBRを計算する元となるBPS1株あたり純資産は現金や不動産などの資産から算出した金額ですが健全な企業にはこれまで蓄えてきたスキルや知識ネームバリューなど帳簿上に表れない価値も付加されています

 

そのため企業の価値は純資産を上回り株価はBPSの数値以上PBR1倍以上になるのが当然です

 

しかしPBR1倍を下回る場合には以下のような問題が潜んでいるかもしれません

 

  • 赤字である
  • 赤字ではないが将来性がないと判断されている
  • 上場廃止の可能性がある

 

これらの企業の場合PBR1倍を下回っていて割安感があっても投資対象にするのは危険です

 

一方優良企業なのに何らかの理由で一時的に株価が大きく下落した場合や株式市場全体の暴落につられて株価が下がったためにPBRが低くなっている場合は絶好の買い場となります

他の指標と併せて総合的な判断を

現在の株価とBPS1株当たり純資産の比率を表す指標であるPBR株価純資産倍率株価が割高か割安かを測るのに使われます

 

PBR1倍を上回ると割高1倍を下回ると割安とされますが1倍未満だからといって必ずしもお買い得だとは言いえずすぐに買いを入れるべきではありません

 

なぜならPBRが低いとその企業がなかなか利益を出せなかったり株価が上がらなかったりするケースもあるからです

 

PBRは現在の純資産から算出される指標であり将来の純資産は変動します

 

PBRはあくまでもデータの1つなので他の指標と組み合わせて総合的な判断をすることが必要です

情報提供:PBRとは?意味や計算式PERとの違い使い方まで詳しく解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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