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株式投資の税金について解説
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投資の知識

株式投資にはいくら税金がかかる?節税方法と確定申告についても解説

2023.02.22

証券コード

株式投資で得た利益には税金がかかります仕組みが複雑でわかりづらい部分も多いのですがいざというとき税金で損をしないためにもよく理解しておくことが大切です税金はいくらかかるのかどう支払ったら良いのか節税する方法はなど当ページでは株の税金についてわかりやすく解説していきます

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    株にはいくら税金がかかる?

  • 02.

    税金がかかるのは株で利益を得たとき

  • 03.

    株の税金はどうやって払う?

  • 04.

    確定申告をした方が良い人は?

  • 05.

    NISA口座なら非課税

  • 06.

    税金が一番得になる方法を考えてみよう

株にはいくら税金がかかる?

株式投資によって生まれる利益にかかる税金は所得税15住民税5合わせて20ですまた203712月末までは上記2種類の税金に加えて復興特別所得税0.315が加算されます

税金がかかるのは株で利益を得たとき

株式投資で得られる利益には株を売ったときに発生する譲渡売却会社から分配される配当金がありますそれぞれについて詳しく見ていきましょう

株を売却したとき

株を売ったときに得られる利益は譲渡売却と言いますつまり株を売却したときの儲けのことです株の売却時にかかる税金は必ず申告分離課税になります

 

例えば10万円で買った株を11万円で売った場合利益の1万円手数料は考慮しないに税金がかかりますつまり1万円 × 20.315 = 2,031が税金額です

配当金をもらったとき

株の所有時に得られる利益を配当金といいます配当金は申告分離課税のほかに確定申告で総合課税を選択することができます

申告分離課税は所得にかかわらず所得税が15%かかりますが総合課税なら所得に応じて所得税率が変わります5%〜45さらに配当控除も使うことができるため一定以下の所得の人は総合課税の方がお得になることもあります

損失が出た場合や含み益は課税されない

株の売却時にマイナスが出た場合損失利益が出ている状態で保有してる場合含み益には税金はかかりません

そのため損失が出ている場合は税金を納める必要はなく確定申告も不要です

株の税金はどうやって払う?

株を取引する際に使う口座は次の3つ選択肢から選ぶ必要があります

  • 特定口座源泉徴収あり
  • 特定口座源泉徴収なし
  • 一般口座

特定口座と一般口座では税金の取り扱いや取引できる商品に違いがあります

こちらの違いを詳しく説明していきます

株を売却した人の場合

前提として年間で株の利益が20万円を超えると税金を納める義務が発生します

それを管理する方法として口座が分けられているので自分に有利な方法を選んでいきましょう

特定口座源泉徴収ありなら確定申告不要

投資初心者の方におすすめなのは特定口座源泉徴収ありです

 

最大の魅力は自分で確定申告する必要がないことそれに加えて配偶者控除などの適用に影響が出ないこともメリットです

 

ただしデメリットもあります考えられる事例としては年間の株式投資の利益が20万円以下だった場合です例えば利益が5万円だとしても源泉徴収され本来払わなくても良い税金が自動的に引かれてしまうのです

特定口座源泉徴収なしまたは一般口座は確定申告を

逆に特定口座源泉徴収なしや一般口座を選んだ場合20万円を超える利益が出た時は自分で確定申告をする必要があります

 

ここで注意すべき点は利益が20万円以下でも住民税の申告が必要となる点です

 

また特定口座源泉徴収なしと一般口座の違いは年間取引報告書があるかないかです

 

特定口座源泉徴収なしの場合証券会社が1年間の売買損益を算出した年間取引報告書を作成してくれます投資家はこの書類を活用して簡単に確定申告を行うことが可能です

 

一般口座の場合個人で管理しているため年間の取引を自分で集計する必要があります

 

上場株式や投資信託を運用している限りでは一般口座を選択するメリットは現状ほぼないと言えるでしょう

配当金をもらった人の場合

ここからは配当金をもらった人がかかる税金について確認していきます

 

配当金は支払い時に源泉徴収されるため原則確定申告は不要です

 

ただし確定申告を行うこともできますその際は総合課税配当控除の適用あり申告分離課税株式等の譲渡損失との損益通算のどちらかを選択することができます

 

税金を払うだけでなく払い過ぎた税金を取り戻せるケースもあります次章で詳しく解説します

確定申告をした方が良い人は?

株の配当金について確定申告が不要な方も確定申告をした方が節税になるケースもあるのでご紹介します

複数の口座で損益通算する場合

損益通算とはその年に発生した損失を配当金所得等から控除することです別々の証券会社で口座を開設し投資している方が対象ですが売却損が出ている口座と配当や売却益が出ている口座を持っている場合確定申告をして損益通算することができます

 

例えばA証券会に100万円の損失B証券会社に配当金150万円ある場合で考えます

 

A証券会社の株式では損失が出ているので税金はかかりませんしかしB証券会社の株式では150万円の利益が出ているので150万円の20.315%分税金を払う必要があります

 

しかし確定申告をして損益通算すると150万円の利益で支払った税金のうち損失100万円分の税金が還付される仕組みになっています

 

実際に概算で計算すると損益通算をしなければ304,725税金を払うことになりますただし損益通算をすると203,150円還付され実質の支払い税額は101,575円になります

 

よって損益通算すると利益が出ている口座の税金が還付されるので確定申告した方がよいということです

株の売却で損が出ている場合

上記の例は損失が発生している口座と利益が出ている場合の口座がある場合のケースでしたが今回は損失しか出ていない場合で考えます

 

確定申告の申告分離課税では損が出ていた場合まず株を売って得た利益と損益通算できます次に株の売却損を配当で引ききれなかった時にその損失を3年間繰り越すことができますこれを譲渡損失の繰越控除と言います

 

例えばAさんが5年間投資をしているとします

 

Aさんは5年間で

  1. 100万円の損失
  2. 10万円の利益
  3. 60万円の利益
  4. 20万円の利益
  5. 20万円の利益

を出したとします

 

本来は1年目の100万円の損失以外には毎年利益に対して20.315%の税金がかかりますですが100万円の損失を出している時にきちんと確定申告を行っていれば翌期から3年間の利益で繰越控除することができますそのため10万円60万円20万円の90万円の利益分は課税されないということです

 

ここで注意していただきたいのは繰り越し期間は3年間というところですAさんの場合5年目の20万円の利益は控除対象ではなくなります

 

株で多額の売却損が出た場合損失と配当を通算することで配当で源泉徴収された税金を取り戻すことができますまた引ききれなかった損失を繰り越すことで翌期に株を売った利益があった際配当に充てることも可能です

 

上場株式に投資をしていて売却損が出ている人は申告分離課税で確定申告することをおすすめしますなお申告分離課税で確定申告する場合配当控除は利用できないのでご注意ください

所得が695万円未満の場合

配当金を源泉徴収で納税した場合の税率は20.315%ですが配当所得を含めた実効税率が20.315%より低ければ総合課税で確定申告した方が有利になります

 

日本の所得税は所得が多ければ多いほど税率が高くなる累進課税制度を採用しており所得金額に応じて545の税率で計算されます住民税は一律10

 

配当所得がある場合配当控除が受けられるためこの控除を受けた実効税率が20.315%より低ければ源泉徴収で納めすぎた税金が戻ってきます

 

具体的には配当所得も含めた課税所得が695万円未満であれば確定申告をした方が有利になる可能性が高いです

NISA口座なら非課税

NISAとは株式投資信託の税金を優遇する制度のことです

 

ここまで投資の利益に20.315%の税金がかかると解説していましたがNISA口座で運用すると課税されません例えば一般の株式では1万円の利益に2,031円の税金がかかっていましたがその2,031円の税金分も自分の手元に入ってくるというイメージです

 

現在NISAには一般NISAつみたてNISAジュニアNISA3つの種類があります

それぞれ特徴があるので簡単に説明します

 

一般NISA

  • 日本に住んでいる18歳以上の人が開設できる
  • 株式投資信託等を年間120万円まで購入可能
  • 最大5年間非課税で保有できる
  • 上場株式ETF公募株式投信REITなどに投資可能

 

つみたてNISA

  • 日本に住んでいる18歳以上の人が開設できる
  • 株式投資信託等を年間40万円まで購入可能
  • 最大20年間非課税で保有できる
  • 長期積立分散投資に適した一定の投資信託に投資可能

 

ジュニアNISA

  • 日本に住んでいる017未成年に向けて保護者が開設する
  • 株式投資信託等を年間80万円まで購入可能
  • 最大5年間非課税で保有できる
  • 上場株式ETF公募株式投信REITなどに投資可能

 

※新規開設購入は2023年まで

 

また2024年から一般NISAとつみたてNISAが一体化しNISAとして生まれ変わりますNISAの特徴は以下の通りです

 

NISA

  • 日本に住んでいる18歳以上の人が開設できる
  • 株式投資信託等を年間つみたて投資枠120万円まで成長投資枠240万円まで購入可能
  • 非課税で保有できる期間が無期限
  • 一般NISAとつみたてNISAの投資対象先と同様

税金が一番得になる方法を考えてみよう

株式で利益が発生すると税金を支払わなければならない場合がありますしかし特定口座源泉徴収ありを選択すると確定申告は不要のため別途作業が発生するわけではありませんそのため税金の支払いに不安がある方でも気軽に株式投資をすることができます

 

一方確定申告をすると払いすぎた税金が戻ってくる場合がありますこの記事を参考にしてご自身にとって一番お得になる選択をしてくださいね

情報提供:株式投資にはいくら税金がかかる?節税方法と確定申告についても解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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