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特定口座の源泉徴収ありなしの違いは?
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投資の知識

特定口座の源泉徴収ありなしの違いは?確定申告は必要?

2023.02.22

証券コード

証券会社で口座開設をするときまず悩むのが口座の種類ではないでしょうか特に特定口座の源泉徴収ありなしどちらにするかは悩みどころです

無駄な税金は払いたくないけど面倒な確定申告はやりたくないこれは投資家なら誰もが直面する難問ですここでは特定口座の源泉徴収ありなしのメリットとデメリットを詳しく解説します

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    証券口座の種類

  • 02.

    特定口座の源泉徴収ありなしとは?

  • 03.

    特定口座源泉徴収ありのメリット

  • 04.

    特定口座源泉徴収ありのデメリット

  • 05.

    特定口座源泉徴収なしのメリット

  • 06.

    特定口座源泉徴収なしのデメリット

  • 07.

    初心者は源泉徴収ありにした方が安心

  • 08.

    特定口座源泉徴収ありでも確定申告すべきケース

  • 09.

    源泉徴収ありなしは後から変更できる

証券口座の種類

証券口座の種類は特定口座一般口座NISA口座の大きく3つあります

 

確定申告の有無や納税方法が異なるため自分に適した口座を選ぶことが大切です

特定口座

特定口座とは納税者の申告納税手続きを簡素化するために設けられた制度です

 

特定口座には源泉徴収ありなしの2種類があり源泉徴収ありでは確定申告が不要源泉徴収なしでは申告が必要となります

 

また確定申告が必要な場合でも証券会社等が作成してくれる年間取引報告書を利用すれば簡単に済ませることができます

一般口座

一般口座とは特定口座やNISA口座では管理できないような非上場株式や先物オプション取引などによる損益をまとめて管理できる口座です

 

損益の計算や確定申告は投資家自身で行う必要があり複数の口座を持っている場合は各口座ごとに計算しなければなりません

 

特定口座のように証券会社が年間取引報告書を作ってくれるわけではないので自分で作成する必要があります

NISA口座

NISA口座は一般NISAつみたてNISAジュニアNISA3種類があり投資限度額や期間などが異なります

 

売買益や配当金が毎年一定額まで非課税になる口座で原則として確定申告は不要です

 

ただしNISA口座で出た損失は他の口座で出た利益と相殺できず繰越控除も受けられません

特定口座の源泉徴収ありなしとは?

特定口座には源泉徴収ありなし2種類がありその違いは確定申告を行う必要があるかという点です

源泉徴収あり

源泉徴収ありの特定口座では損益が発生する度に利益から20.315所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5が自動的に差し引かれ入金されます

 

自分で確定申告をする必要はなく証券会社が投資家に代わって損益と税金の計算を行い利益から天引きして税金を支払ってくれます



利益が出た場合は確定申告をする必要はありませんが損失が出た場合は確定申告した方が得になるケースも

 

確定申告をするとNISA以外の他の口座から出た損益と通算して還付を受けたり損失の繰越控除を申請することが可能です

源泉徴収なし

源泉徴収なしの特定口座では源泉徴収はされませんので利益が20万円以上なら自分で確定申告をする必要があります

 

配当金については証券会社があらかじめ税金を控除したうえで入金してくれるため確定申告は不要です

 

損失が出た場合は確定申告は必要ありませんが確定申告をした方がお得になるケースもあります

 

なお確定申告する際は投資家が取引をゼロベースで計算する必要はなく証券会社が発行する年間取引報告書を用いて行うことができますこれを利用すれば売買損益を計算する手間を省けます

特定口座源泉徴収ありのメリット

特定口座源泉徴収ありのメリットとしてよく知られているのが確定申告が不要であることです

 

証券会社が代わりに税金を納めるので投資家は確定申告をする必要がありません

 

また損益通算のための確定申告を行う場合でも年間取引報告書の数字を転記するだけで済みます

 

さらには親や配偶者の扶養に入っている投資家にとってもメリットがあります

 

配偶者控除や扶養控除は扶養に入っている人の所得が増えると適用されなくなりますが特定口座源泉徴収ありでの利益は配偶者控除扶養控除の計算に上乗せされません

 

つまりいくら利益が出ても扶養を抜けずに済むのです

 

逆に確定申告をすると所得と合算されてしまい扶養から外れる可能性があるので注意しましょう

特定口座源泉徴収ありのデメリット

特定口座源泉徴収ありのデメリットは利益が20万円以下でも自動的に税金が徴収される点です

 

本来給与の支払い先が1ヶ所のみで給与収入が2,000万円以下のサラリーマンは投資の利益などの給与以外の所得が20万円以下であればその分の納税は不要

 

しかし特定口座源泉徴収ありでは利益が出るたびに自動的に税金が差し引かれ確定申告をしても差し引かれた税金が戻ってくるわけではありません

 

特定口座源泉徴収ありのデメリットは利益が出たときだけではありません

 

損失が発生した場合確定申告しないと他の口座の利益と相殺することができないのです

 

また損失を繰り越したいときも確定申告が必要なので確定申告不要というメリットは活かせません

特定口座源泉徴収なしのメリット

特定口座源泉徴収なしのメリットは利益が20万円以下の場合に源泉徴収されないことです

 

ただし誰でも源泉徴収されないわけではなく以下の条件に当てはまる投資家のみに適用されます

 

  • 給与が2,000万円未満の会社員
  • 公的年金等の収入が400万円以下の年金受給者



利益が20万円以下になりそうな人は源泉徴収なしを選択した方がお得だと言えます

 

なお利益が20万円以下でも住民税は非課税とはなりません住民税の確定申告は必要ですので注意しましょう

特定口座源泉徴収なしのデメリット

特定口座源泉徴収なしのデメリットは20万円以上の利益が出た場合に自分で確定申告する必要がある点です

 

毎年会社で年末調整を受けている会社員は確定申告に慣れていないため手間に感じてしまうでしょう

 

また投資の利益が配偶者控除扶養控除の適用判定で引っかかるケースがあります

 

株の利益は所得に含まれるため合計所得金額が高額になった場合には基準を超える可能性があります

初心者は源泉徴収ありにした方が安心

株式投資の初心者は覚えることがたくさんあり確定申告まで手が回らないという人も多いでしょう

 

特にいつも会社が年末調整をしてくれている会社員にとって確定申告は負担となります

 

確定申告の手続きが面倒確定申告を忘れてしまわないか心配という人は証券会社が代わりに手続きしてくれる源泉徴収ありの特定口座にした方が安心です

特定口座源泉徴収ありでも確定申告すべきケース

原則として特定口座源泉徴収ありなら確定申告の必要はありませんが赤字の場合は確定申告をした方がいいでしょう

 

確定申告をすることで複数の証券会社で取引してる場合は損益通算ができます

 

損益通算とは同じ年に発生した利益から損失を差し引くことこれにより利益にかかる税金を軽減することが可能です

 

例えばA証券の口座で80万円の利益が出ておりB証券の口座では100万円の損失が出ているとき合算すると20万円の赤字になりますよね

 

この場合には損益を相殺して払いすぎた税金を取り戻すことが可能です

 

また損益通算以外にも譲渡損失の繰越控除という制度を利用することができます

 

譲渡損失の繰越控除では損失を翌年以降最大3年間繰り越し利益から差し引いて税金を減らすことができます

 

納税額を少しでも抑えたいのであれば特定口座源泉徴収ありであっても確定申告すべきです

源泉徴収ありなしは後から変更できる

特定口座源泉徴収ありは確定申告をする手間が省けますが利益が20万円以下の場合余計な税金を支払うデメリットがあります

 

特定口座源泉徴収なしなら利益が少ない場合に税金を納めなくても済みますが利益が20万円以上だと確定申告は必要です

 

特定口座の源泉徴収ありなしは口座開設時に選択するだけでなく後からの変更も可能証券会社のサイト上で源泉徴収区分から手続きできます

 

源泉徴収ありなしの両方を経験してみて自分に合った口座を検討するのも1つの手です

情報提供:特定口座の源泉徴収ありなしの違いは?確定申告は必要?
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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