インカムゲインとは、資産を保有することで継続的に入ってくる利益のことです。

一般的に知られているインカムゲインには、以下のようなものがあります。

• 銀行預金の利息
• 株式の配当金
• 不動産の家賃収入

「銀行預金＝資産」という意識はあまりないかもしれませんが、お金を預けている間は定期的に利息が入ってくるので、銀行預金の利息はインカムゲインに該当します。

インカムゲインは、銀行預金の利息を考えてみると分わかる通りローリスク・ローリターンであり、株式を長期間保有することによって利益を積み重ねていきます。

一方、キャピタルゲインは売買差益ですから、短期間で利益を獲得できる可能性はありますが、その代わりに損失を出すリスクも大きくなります。

自分がどの程度の利益を求めるのか、どの程度のリスクを許容範囲とするのかによって、インカムゲインとキャピタルゲインのどちらを狙うのかを考えましょう。

株式投資において、配当金はインカムゲインに当てはまります。

日本株では株主優待を受けられる場合があり、株主優待もインカムゲインにカウントされます。

株式投資の場合、業績があまり悪化しない限りは安定的に配当金が支払われるので、インカムゲインは長期投資に向いていると言えます。

株式投資でインカムゲインをねらうメリットは、株式市場の短期的な価格変動に振り回されず、定期的な収入が期待できるところです。

その点、売買差益をねらうキャピタルゲインでは、株価の動きに一喜一憂し、高値づかみや狼狽売りをしてしまうことがあります。

また万が一、他の収入が減っても、インカムゲインによる安定した利益は安心材料になります。

キャピタルゲインを目的とした投資の場合、銘柄の選定や売買のタイミングを見極めるために時間が必要ですが、インカムゲインをねらう投資では、購入した銘柄を長期間そのままにしておくだけでいいのです。

投資に時間をかけなくていいというのは、インカムゲインの大きなメリットです。

さらに、インカムゲインは1年間にどれくらいの利益が得られるか予測しやすく、配当で得たお金を再投資すれば元本が増え、複利効果も得られます。

利回りは低いですが、その分リスクも低く、保有しているだけで利益が出るというところが、インカムゲインが選ばれる理由と言えるでしょう。

株式投資でインカムゲインをねらう際は、平均的な利回りが2％前後であり、決して高い収益にはならない点を覚えておきましょう。

例えば、100株あたり10万円の銘柄では年間2,000円の配当金しかもらえません。

テンバガーのように短期間で10倍以上になることもあるキャピタルゲインと比べると、インカムゲインは1回あたりの利益が小さく、一定以上の資金を投資しないと、インカムゲインの効果は実感しにくいでしょう。

加えて、企業の業績が悪化した場合、配当金が減額されたり、支払われなくなったり、株主優待が改悪・廃止される可能性があります。

インカムゲインを得るためには、株式を保有し続けることが前提となり、手放してしまうと配当をもらえなくなることも忘れてはいけません。

配当は特定の時期にしか得ることができず、もしインカムゲインを多く得たいのであれば、保有する株数を増やすしかないのが現実です。

株式の配当金は、入金時に税金を源泉徴収しているため、原則として確定申告をする必要はありません。

しかし、利益の状況によっては、確定申告をした方が有利なパターンもあり、「総合課税」または「分離課税」を選択して確定申告をすることができます。

総合課税…配当控除の適用を受けられる

申告分離課税…株式の売却損と配当の相殺ができる

個人の配当金に対する税率は、20.315％（所得税・復興特別所得税15.315％、住民税5％）です。

確定申告不要・総合課税 ・申告分離課税のうちから、自分にとって最も税負担が軽い方法を選択できます。

株式投資のインカムゲインは、キャピタルゲインと違って損失が出ることはありません。

そのため、なるべくリスクを避けたい人や株式市場が開いている9時から15時の間に株価を確認できない会社員などに適しています。

長期投資をしなければ得られる利益は限られますが、株を保有し続けている間、定期的に収益が確保できるというメリットがあります。

インカムゲインは利回りに大きく左右されるため、利回りが低い銘柄を選んでしまうと、思ったほど配当金が少なくてがっかりしてしまうかもしれません。

インカムゲインをねらうなら、必ず利回りも確かめましょう。