バリュー株とは、利益や純資産などで見た企業価値に対し、株価が割安となっている銘柄。「成長に対する期待値が低い」「知名度が低い」など、投資家に注目されにくい要因によって割安のまま放置されています。

そのため、企業の価値などが見直されると株価が上昇する傾向にあります。バリュー株を用いた「価値の見直しによる株価上昇を狙う」という手法を一般にバリュー株投資と呼びます。

また、バリュー株はPERが低い・PBRが1倍前後といった特徴を持ち、その価値をはかる際には、PERが用いられることが多いです。

（※PER・・・1株あたりの株価が利益の何倍かを示す）

（※PBR・・・株価が純資産×何倍で取引されているのかを示す）

バリュー株と比較される言葉に「グロース株」があります。グロース株は「成長株」とも呼ばれ、売上の伸び率・利益の成長率がともに高い銘柄です。PERが高くPBRは数倍、新興企業の場合は十数倍、数十倍となっているものもあります。 

主な違いは下記の通りです。

違いからわかるのは「バリュー株は長期取引に向いた銘柄である」ということ。理由は、成長率が低いため、価格推移が緩やかであると言えるからです。価格推移に時間がかかるため、短期取引では利益がほとんど取れないと言えるでしょう。

一方、高い成長率を誇るグロース株は短期取引でしっかり利益を狙える分、大きく損失を出す可能性も高いです。リスクをとって大きく稼ぐことに向いていると言えます。

コツコツ長期的に運用したい方には、バリュー株の取り引き、短期間に大きく稼ぎたい方にはグロース株の取り引きをおすすめします。

PBR（株価純資産倍率）は、株価が「純資産×何倍で取引されているのか」を示す指標。「株価÷1株あたり純資産（BPS）」で求められます。PBRが低い場合には、株価が割安、高い場合には割高と言えます。

一般的には「企業価値=株価」である1倍が基準点とされ、「PBR＜1倍」の場合では、企業価値に対する株価は安いと判断できます。

PER（株価収益率）は、株価が「割安なのか？」「割高なのか？」を判断する際に使われる指標。「株価÷1株あたりの利益（EPS）」で求められます。PERが低い場合には、株価が割安、高ければ割高と言えます。

日本国内における平均PERは、15倍程度とされています。「バリュー株なのか」という判別を行う際には「PER＜15倍」となっているか、をひとまずの目安としてみてください。

バリュー株かの判断を行う際には、まずはPBR・PERの2つを確認し、株式益利回やPEGレシオ（PEG）※など、他の指標も組み合わせて総括的な判断を行うよう心がけましょう。

※PEGレシオとは、企業の利益成長率を中期的に見て株価水準を判断する指標です。

自己資本比率とは、負債・純資産の合計額（総資本）に占める純資産の割合のこと。自己資本は、借り入れている財ではなく「会社が持っている財」なので「自己資本比率が低い＝負債が多い」となります。

自己資本比率が高いとその分、企業経営が安定しているので安全性が高い・倒産しにくいと言え、投資をする際の指標としてよく用いられます。

当然、買った後に株価が伸びないと投資家の利益は出ないので、株価上昇を期待できる株を探す必要があります。

株価がこの先上昇するのかをはかる際には、

1. 企業の業績推移
2. 配当金の有無・金額
3. 新商品の開発状況
4. 自社株買い
5. 景気や金利、為替の変動予測
6. 海外の株式市場の動向
7. 災害の発生や社会情勢の変化

といった項目を見るのがおすすめです。

バリュー株は、前述の通り「売上の伸び率・利益の成長率」が低いため、値動きが小さい傾向にあります。長期保有によって安定的に配当金を得ることには向いていますが、大きな利益を狙うのには向いていないのでご注意ください。

バリュー株は、売上の伸び率・利益の成長率が低く値動きが小さいため、短期間での取引では、ほとんど利益が得られません。長期的な成長を見据えて買うタイプの銘柄である点にご注意ください。

しっかり分析をし、今後に期待できる銘柄を選んだとしても「確実に上がる」とは言い切れないのが投資です。「株価が上がりそうな気配はあるのに安いままで放置されている」というバリュー株の状態を「バリュートラップ」と呼びますので覚えておきましょう。

バリュー株は「ゆっくりコツコツ取り引きしたい」という方におすすめの銘柄です。ただ、その選定は簡単とは言えないので、PERだけを見て判断したり、「価格上昇の要因があるから上がるはず！」などと、むやみに飛びつかないようご注意ください。