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ストップ高について解説
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投資の知識

ストップ高はなぜ起こる?仕組みや注意点をわかりやすく解説

2023.08.11

証券コード

株式投資を検討している方であればストップ高という言葉を耳にしたことがあるでしょう
この記事ではストップ高ストップ安が起こる要因やストップ高の基準となる制限値幅の考え方ストップ高の際の売買について解説しています
仕組みを理解して株価に大きな動きがあった場合でも冷静な対応ができるように準備しておきましょう

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    ストップ高とは

  • 02.

    制限値幅とは

  • 03.

    制限値幅を設けている理由

  • 04.

    ストップ高が起こる要因

  • 05.

    ストップ高のとき売買はどうなる?

  • 06.

    仕組みを理解して冷静な対応を

ストップ高とは

刻々と変動する株価は実は前日の終値に基づき一日の値幅が決まっています決められた上限まで株価が上昇することをストップ高下限まで株価が下落することをストップ安と言います

 

ストップ高になるとその日はそれ以上の株価を付けることはありませんストップ安の場合も同様です

制限値幅とは

株価の急激な動きを抑制する決められた一定の変動幅が制限値幅です制限値幅は株価によって異なり前日の終値を基準値段として上下約15%30%の間に設定されています

 

基準値段が1万円未満の場合は制限値幅は上下1,50015万円未満の場合は3万円となりますなお基準値段と制限値幅の詳細については日本取引所グループのホームページで確認できます

 

ユニクロやGUを傘下に持つファーストリテイリング9983の現在の株価を具体例に確認してみましょう

 

2023712日終値=34,860

 

基準価格が3万円以上5万円未満の場合制限値幅は7,000

→ストップ高=41,860ストップ安=27,860

制限値幅は拡大されることがある

制限値幅は2営業日連続で下記のいずれかに該当する場合翌営業日から拡大されます

(1)ストップ高となりかつストップ配分も行われず売買高が0
(2)売買高が0株のまま午後立会終了を迎え午後立会終了時に限りストップ高で売買が成立しかつストップ高に買呼値の残数あり
出典:日本取引所グループホームページ内国株の売買制度:制限値幅

ストップ高が2営業日続いた場合はストップ高のみが拡大されストップ安に変更はない点にご注意ください

上記の特別措置が行われる銘柄については日本取引所グループホームページのマーケットニュースで開示されます

サーキットブレーカーとの違いは?

株価の極端な値動きで過熱した市場を落ち着かせ投資家に冷静な判断を促すため取引を一時中断する制度がサーキットブレーカーです

 

日本においては株式取引では発動されず先物取引やオプション取引などで発動される可能性があります

 

中断時間は10分以上と一時的なもので再会後は制限値幅を拡大し板寄せ方式で取引が行われます先物やオプションなど取引種別によって制限値幅が異なる点にご注意ください

 

先物取引等における制限値幅およびサーキットブレーカー制度の詳細については日本取引所グループホームページでご確認ください

制限値幅を設けている理由

なぜ一日の株価の動きを制限する必要があるのでしょうか

 

まず第1株価の急騰や暴落を防ぐことが挙げられます

 

例えば地震などの天変地異は投資家の不安を煽り株価を下落に導きます株価を下支えする明るい要因が見つからず売りが売りを呼ぶ事態に陥るような場合でも制限値幅を設けていることで下落幅を限定的に抑えることができます

 

2投資家保護が挙げられます

 

株価が大きく乱高下する場合上がりきってしまう前に少しでも早く買いたいこれ以上下落してしまう前に早く売りたいなど正常な判断を下せない心理状況に追い込まれる可能性があります

 

一定の値幅で売買が行われることで過熱を和らげ投資家に冷静な判断を促す効果が期待できます

ストップ高が起こる要因

ストップ高やストップ安など株価が急激に変動する代表的な要因を見てみましょう

業績の上方修正

企業が決算を発表する際次期の業績予想もあわせて発表するケースがあります以降は業績予想を織り込む形で株価は変動していきますが当初の予想よりも業績が大きく上回る場合企業は上方修正を発表します

 

企業にとって有益な情報となるため上方修正は株価を押し上げる要因になります同様に下方修正は株価を下落させる要因になります

資本業務提携や買収

大手企業との資本業務提携や買収など企業の業績や収益性が上昇するまたは改善すると見込まれる場合これらは株価にプラスの影響を与えます

 

一方で業績が悪化すると判断された場合は株価にマイナスの影響を与えるため資本業務提携や買収が必ずしも株価を押し上げる要因となるわけではない点に留意する必要があります

 

その他にも将来性が見込まれる新規事業の開始や株主への増配など企業にとってポジティブな出来事は株価を上昇に導く要因となります

 

なお株価自体は投資家にとって有益な企業の情報や出来事内部要因にプラスして金利や為替外部要因による価格変動も含まれることを理解しておきましょう

ストップ高のとき売買はどうなる?

ではストップ高ストップ安になった場合売買がどのように行われるのかを確認しましょう

通常の株式取引

株式を売買する場合売買する値段をあらかじめ設定しておく指値注文売買する値段を設定しない成行注文のどちらかで売買を成立させることになります

 

指値注文では自分が予定していた価格で売買できる反面価格によっては売買が成立しない可能性がありますまた成行注文では指値注文よりも売買が成立する可能性は高くなりますがいくらで売買できるか分からないため予定していた価格よりも高く買うまたは安く売ることになる可能性があります

 

また株価は始値または終値を決定する際板寄せ方式と言われる価格的に優先順位の高いものから付け合わせ売買を成立させていく方法が採用されています

ストップ配分での株式取引

株価がストップ高ストップ安まで大きく変動し売りまたは買いに取引が極端に集中した場合終値を決定する際に用いられるのがストップ配分です

 

下記条件を満たした場合通常の板寄せ方式による売買ではなくストップ配分にて売買を成立させます

(1)成行注文を制限値幅における指値注文とみなす
(2)ストップ高の場合には制限値段に1単位以上の売り注文がある場合ストップ安の場合には1単位以上の買い注文がある場合売買が成立
出典:日本取引所グループホームページストップ配分

注文株数の多い証券会社から少ない証券会社へ割り当てるため配分されない証券会社が出る場合もありますその後注文を出したお客様への配分が決まるためストップ配分で実際に取引が行われるかどうかは各証券会社のルールによります

仕組みを理解して冷静な対応を

株式取引を行うにあたっては株価に影響を与えるイベントの有無や投資を検討している企業の業績など予想を踏まえて確認するなど情報収集がカギになります

 

そして株価の急激な変動は通常の取引が行えないケースがあることも覚えておくと良いですね

 

意外に思われるかもしれませんが実はかなりの頻度で株式市場ではストップ高ストップ安になる銘柄がありますリサーチを兼ねて一度チェックしてみてはいかがでしょうか

情報提供:ストップ高はなぜ起こる?仕組みや注意点をわかりやすく解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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