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配当性向の計算方法や目安値をわかりやすく解説
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投資の知識

配当性向とは?計算方法や目安値をわかりやすく解説

2023.04.28

証券コード

配当は株式投資によって得られる収益です投資先の利益がどれだけ配当に回されているかを測るには配当性向という指標を用います

配当性向の値が高いほど株主へ利益が還元されていることを示しているため配当性向は投資先を選ぶ際の重要な基準だと言えますしかしこの値が高いから良い銘柄というわけではなくあくまで企業の利益還元率を見るための要素だと捉えておきましょう

本記事では配当性向の意味やその算出方法目安値などを解説します

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    配当性向とは

  • 02.

    配当性向の算出でわかること

  • 03.

    配当性向の計算方法

  • 04.

    配当性向の目安値は30%前後

  • 05.

    配当性向値が高い企業へ投資する際のポイント

  • 06.

    配当性向が高いから良い投資先というわけではない

配当性向とは

配当性向とは企業が自社の当期純利益の中からどれだけのお金を年間の配当金に充てているかを示す値ですこの値の高い企業は株主に多くの利益を還元していることになり逆にこの値の低い企業は利益を投資家へあまり還元していないことになります

 

よって配当性向は投資家が銘柄を選ぶ際の判断材料となる数値なのです

配当性向の算出でわかること

配当性向を算出することで企業が株主に対し自社の利益をどれだけ配分しようとしているかがわかりますつまりこの値はあくまで企業の利益配分に対する考えが反映された数値なのです

 

配当性向値が高いから必ず高配当金がもらえるというわけではなく配当性向の値が高くても当期純利益の低い企業であれば配当金は少なくなってしまうのです

 

例えば以下のようなケースではB社のほうがより高額の配当金を分配していることがわかります

  • A 利益3,000万円×配当性向50%=配当金額1,500万円
  • B 利益8,000万円×配当性向20%=配当金額1,600万円

また配当性向が高い数値であることは企業が利益を自社にあまり蓄積せず配当に回していることを意味しますそのため事業開発や人材確保などに充てられる資金が少なくなり企業が成長するための芽を摘んでしまっていることも考えられるのです

 

例えば成長中の企業は利益を事業拡大のための投資に割く傾向にあるため配当性向が低くなりがちですしかし企業が大きくなって高い利益が得られるようになれば配当金が増額される可能性もあります

 

よって配当性向が高いことだけを理由として良い投資先であると判断することは難しいのです

配当性向の計算方法

配当性向を算出する方法は企業の純利益を用いるやり方と1株あたりの利益を用いるやり方2種類がありますどちらのやり方でも企業の純利益を基準として算出するため導き出される結果に違いはありません

 

以下2種類の算出方法を確認していきましょう

当期純利益を用いて計算する方法

企業の当期純利益の総額と配当金の総額を用いて値を算出する方法です配当金額を企業の純利益額の総額で割ることで配当性向の値を導き出します

  • 配当金総額÷当期純利益×100=配当性向%

例えば当期純利益が6,000万円だったとしてその時期の配当金が合計で1,800万円支払われた場合の配当性向値は30%になります

1株当たりの利益を用いて計算する方法

配当金額を純利益で割る点は共通していますがこの方法では1株分の純利益と1株分の配当金額を用いて値を算出します

 

配当金総額と当期純利益を発行済株式総数で割った場合にそれぞれの1株あたりの数値が導き出されるため純利益の総額を用いた場合と結果は同じです

  • 1株あたり配当額÷1株当たり当期純利益×100%=配当性向%

例えば前述の式の1株あたりの純利益が600配当金が180円だった場合は配当性向の値は30%になります

配当性向の目安値は30%前後

企業の配当性向の目安値は30%です企業が得た利益は内部留保従業員の給与株主への配当金の3つに充てられるためこの値がひとつの目安となっているのです

 

社団法人生命保険協会が発表した平成29年度生命保険調査によると上場企業の株主還元の数値目標は平成2329年で30%前後で推移しており日本国内のTOPIX構成企業の配当性向も約30%の推移分布を示しています

 

当期純利益の一部は企業の内部に蓄えられ事業投資をする際の資金や経営状況が悪化したときの状況改善のために使われるためこのような値が適正なのです

配当性向が100%以上になるケース

配当性向が100%以上を示す場合は企業の当期純利益を超える金額を配当金に回していることになるため企業の利益額が下がっていることを意味します

 

利益が下がっても企業が以前と同じ金額の配当金を出し続ける理由は株主に株が売却される事態を防ぎ長期間の保有で株価の安定を図り他社からの買収を防ぐことにありますよって配当性向が100%になってもすぐに危険な状況だとは言い切れません

 

しかし配当性向が100%以上の状態が長く続くようであればその企業が長期にわたって利益を出せていないことになるため配当金が減額されるケースもありえます

配当性向がマイナスになるケース

配当性向がマイナスの値を示す場合は当期純利益がマイナスの状況で配当金を出しているということであり企業内部に蓄えた資本を原資として使っていることを意味します

 

この状況では配当金が入ってこなくなる恐れがあり純利益がマイナスの状態が続けば株価が下がって企業が倒産するリスクが高いですこのようなケースでは投資先の再選定が必要になるでしょう

配当性向値が高い企業へ投資する際のポイント

配当性向の値が高い企業へ投資する際には以下の3つのポイントを確認しましょう

企業の収益が増加しているかを確認する

配当性向が高くても純利益値が低下しているなど株価が下がる要因が含まれる企業であれば投資先としてあまり有望ではありません

配当性向の値を算出する際には企業収益が増加傾向にあるかも確認しましょう事業の安定性や成長性なども検討材料に含めることで銘柄の有望性を正確に判断しやすくなります

株主へ利益を還元することに積極的か

日本企業は不況やリスクへの備えとして利益を内部に蓄える傾向にあります事業開発に充てるための資金もこの内部留保から拠出されるため純利益の確認は企業の将来性を見るために必要不可欠です

 

一方で企業が株主への利益還元にどれだけ積極的かを判断することも欠かせません過去にどれだけの配当を出しているか現在の配当はそれと同程度かなどをチェックしましょう

必要であれば株の売却も視野に入れる

配当金は長期にわたって安定的な収益が期待できるものですが企業の業績が悪化した場合は得られる金額が下がってしまいます

 

配当金が少なくなった場合は保有している株の売却を検討したほうが長期的な資産形成においては利点が多いというケースもあります

 

高額の配当が見込める銘柄であったとしても後に売却する可能性があることは視野に入れておきましょう

配当性向が高いから良い投資先というわけではない

配当性向は企業の純利益の中からどれだけのお金を株主への配当に充てているかを示す値でありその目安値は約30%です

配当性向の数値が高いほど有望な投資先のように思いがちですが実際は純利益が低下したことによって数値が上昇したり企業の成長につながる事業投資によって数値が下がったりすることがあるため一概には言えません

よって投資先を選定する際は配当性向だけではなく企業の業績予想や今までの配当金額なども確認することが大切です

長期にわたって資産を形成するという視点を持ち投資先を選びましょう

情報提供:配当性向とは?計算方法や目安値をわかりやすく解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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