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東証プライムの特徴や東証一部との違いを解説
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投資の知識

東証プライムとは?特徴や東証一部との違いについて解説

2023.06.27

証券コード

東証プライム市場は東京証券取引所が202244日に刷新された際に最上位として区分された市場です

刷新後の市場にはスタンダード市場やグロース市場などがありますが変更前と変更後の違いがわからなかったり投資先を選定する際どこに注目すれば良いかわからなかったりする方も多いのではないでしょうか

再編された東証市場は以前と比べ企業が上場にあたって公開すべき情報が増えより厳しい基準のもとで上場を保ち続けなければならなくなったという点が異なります

本記事では東証プライム市場の概要や再編前との差この市場に上場する利点と問題点などを解説します投資先を選定する際にはぜひ参考にしてください

※個人投資家から事前に募った質問もございます。

目次

  • 01.

    東証プライム市場の概要

  • 02.

    東証が市場を再編した理由

  • 03.

    東証プライム市場に経過処置として上場するケース

  • 04.

    プライム市場にはどんな銘柄がある?

  • 05.

    企業が東証プライム市場に上場するメリット

  • 06.

    企業が東証プライム市場に上場する問題点

  • 07.

    東証プライム市場は投資家にとって無視できない市場

東証プライム市場の概要

東証プライム市場は202244日に東証の株式市場が刷新された後に設置された従来の東証一部に該当する市場です

 

世界中の投資家から投資対象とされるような大企業が上場する市場であり時価総額や高度のガバナンス基準経営成績や財政状態に基準を設けそれらを満たした企業だけが上場できる文字通りの最高ランクの市場です

 

東証再編前とは各種基準が変わっているため企業側にとっては上場するためにより厳格な審査を通過する必要が出てきたと言えます

プライム市場と東証一部の違い

東証プライム市場は刷新前の東証一部市場と比較し上場の基準に以下のような違いがあります

参照:上場審査基準|日本取引所グループ

 

ちなみに再編前の東証一部では以下のような上場基準を設けていました

  • 株主の数:2,200人以上
  • 流通株式の数:2万単位以上
  • 流通株式の比率:35%以上
  • 純資産の額:10億円以上

 

時価総額や純資産の基準が厳しくなったことが伺えますねこの基準変更に伴い東証一部に上場していた企業のうちプライム市場に移行できたところは2,177社中1,839でした

 

残りの338社は要件が満たせなかったためスタンダード市場へと移行することになりました

 

また従来の東証一部市場では上場を保つために必要な基準が上場に必要な基準と比べて緩やかだったのに対しプライム市場では上場の基準と上場を保つための基準が同じになっていますつまり企業に上場を保つための取り組みがより求められる仕組みに変わっているのです

 

プライム市場とスタンダード市場グロース市場の違い

プライム市場と他の2種類の市場とでは以下のように上場の基準や基本的な理念に複数の差があります

参照:上場維持基準の詳細|日本取引所グループ

 

プライム市場のコンセプトは国内外の大多数の機関投資家が投資対象とみなすほど株式の流動性があることであり上場企業には株式の流通量が求められます

 

スタンダード市場は上場企業としての株式の流動性が求められグロース市場は必要最低限の株式の流動性が求められますこれはグロース市場が新興企業やベンチャー企業の上場を想定した市場であることが理由です

東証が市場を再編した理由

東証が市場を刷新した目的は各市場を事業の規模や内容などによって明確に区分することが挙げられます

 

もともと存在していた4つの市場市場第一部市場第二部マザーズJASDAQは基本的な理念が明確でないばかりか市場同士で企業が重複しているといったように投資家が投資しにくい構造でした

 

東証側にとっても上場を保つ基準が上場に必要な基準以下であることや下位市場から上位市場への移動がそのまま上場するよりも容易であったことから企業側に上位市場へ上場するための取り組みを促せないという問題を抱えていました

 

これらの問題に対し東証は市場を刷新して市場を事業規模や内容で明確に分け各企業に上場の取り組みを促そうとしたのです市場再編の理由はこれにあるのです

東証プライム市場に経過処置として上場するケース

市場が刷新されたことでプライム市場の上場に必要な基準とそれを続けるための基準が厳しくなりましたこれにより東証一部の時点では上場していた企業が刷新後にプライム市場を選ぼうとしてもそれができないといったケースもありました

 

ただし基準を満たしていない場合でも要件を満たしていれば刷新前の上場廃止基準が経過措置として適用されプライム市場に上場したといったこともありますその経過処置の適用条件は次のとおりです

 

  • 上場維持基準の適合に向けた計画書を新市場区分を選択する日までに提出
  • 市場区分移行後の年度末から3ヶ月以内に上記の計画書の進捗状況を開示

 

経過措置の期限は20253月以降の各企業の年度末となっています

プライム市場にはどんな銘柄がある?

プライム市場にどんな銘柄があるかは日本取引所グループがサイト上で公開しているその他統計資料という項目から東証上場銘柄一覧をダウンロードすることで確認できます

 

東証上場銘柄一覧は直近の月末時点で上場しているすべての銘柄についてどの銘柄がどの市場に上場しているかが書かれています

 

参考:その他統計資料 | 日本取引所グループ 

 

例えば以下のような誰もが知る有名企業の銘柄が名を連ねています

  • 雪印メグミルク2270
  • 味の素2802
  • タマホーム1419
  • 積水ハウス1928
  • 大塚商会4768
  • ディップ2379

企業が東証プライム市場に上場するメリット

企業にとって東証プライム市場への上場は複数の利点があります

優良企業だと証明できる

プライム市場は以前よりも上場に必要な基準と上場を保つための基準が厳しくなったことで上場することによって得られる社会的信用はより大きくなりました

 

このような市場に上場できるということは高水準のガバナンスを守り持続的な企業成長を続けているということなのでそれだけで投資家や他の企業からの信頼性が向上します

資金調達がしやすい

プライム市場に上場する難易度が以前よりも上がったことで上場できた企業への信頼性はより高くなっています

 

よって上場企業にとっては銀行からの融資や機関投資家からの投資なども期待できます

日経平均株価に採用される可能性も

日経平均株価とは日経225とも呼ばれる東証の株価指数のことであり東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄の中から日本経済新聞社が選定した225銘柄の株価をもとに算出します

日経平均株価に採用された場合は海外の投資家からの認知度が上がるためより大多数の投資家から投資対象としてみなされやすくなるのです

企業が東証プライム市場に上場する問題点

さまざまな利点があるプライム市場への上場ですが上場後もそれを保つための取り組みが必要だったり上場を保つためのコストがかかったりなど一部問題点も存在します

以下詳しく確認していきましょう

上場を維持するための取り組みが必要

東証プライム市場は上場するための基準と上場を保つための基準が同じであるため上場した後は上場時と同じくらい組織としての取り組みを継続する必要があります

 

海外の投資家からの投資も考えられるため社会貢献やSDGsの推進など企業価値をアップさせるための方法がとられていなければ投資家からの信頼が低下するおそれがあるのです

 

つまり各企業は以前と比べ上場後もさらなる取り組みが求められるようになったのです

高額費用が必要

上場や上場を保つための金銭的費用が東証プライム市場の場合は高額です

 

上場審査料

  • プライム市場:400万円
  • スタンダード市場:300万円
  • グロース市場: 300万円

 

新規上場料

  • プライム市場:1,500万円
  • スタンダード市場:800万円
  • グロース市場: 100万円

 

また上場を保つための基準が高いため情報公開用の資料を作成したり企業価値アップの取り組みをすることが求められこれらにも高額な費用がかかることがあります

公開すべき情報が多い

プライム市場に上場する場合はスタンダード市場グロース市場と比べてより具体的な自社情報を公開する必要があります

 

特に経営戦略について公開する要素には気候変動についての事業リスク地球温暖化に対する経営リスク環境対策の内容も含まれています

 

企業によってはその正確な値の分析に時間がかかったり目標の実現が困難だったりといったケースもあるため一筋縄ではいかないのが現状です

東証プライム市場は投資家にとって無視できない市場

東証プライム市場は以前と比べより厳格な上場に必要な基準が定められた市場です上場するためには企業が並々ならぬ取り組みをし経営が地球温暖化に与える影響を正確に測定し実施する環境対策の内容を公開しなければなりません

 

市場が刷新されたことで投資家はポートフォリオを再考しなければならなくなりましたがより信頼性の高い銘柄を改めて選べるようになったとも言えます

 

銘柄ごとの詳細な情報を比較し投資先を選んでいきましょう

情報提供:東証プライムとは?特徴や東証一部との違いについて解説
※この記事は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式についての投資判断あるいは株価に対する動向に関する助言を行うものではありません。当記事に投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記事に記載された内容は取材時の内容を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。また、記事に記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。一部の数値についてはティッカートークが算出しているため、各企業の開示資料とは異なる場合があります。また、発行体の確認を受けていない場合もあります。

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