売上高は前年比1.0%増の8,998百万円、営業利益は42.5%減の412百万円だった。

YoYでは増収減益の結果となった。減益の要因は前年と比べて約6億円増加した広告宣伝費が起因する。視点を替え、QoQにて比較すると、広告需要期が重なったこと、売上達成状況を考慮し広告宣伝費は抑制、結果、増収増益の結果となった。

各事業概ね増収傾向にある中、Gunosy Adsは3月が広告需要期だったこともあり、大幅増収を達成。またGame8事業も過去最高売上高の457百万円を達成。

2022年5月期通期実績と計画値を比較してみると、売上高・営業利益共に計画値を上回る実績を達成した。特に営業利益は広告宣伝費を計画よりも抑制したことにより、206.2％と大幅に上振れする数値で着地した。

ニュースアプリ「グノシー」の新規ユーザーの割合は2022年5月時点で33％まで増加。積極的投資を行っていた今までに比べ、投資を抑制したQ4では伸び率は鈍化しているが、ユーザーの継続率は2021年2月対比1.5倍となり、大幅に改善傾向にある。

前Qまでの組織強化に伴うメディア開拓の成功により、imp数は高水準をキープしている。

全体のアクティブユーザー数は、広告宣伝費抑制を行ったことにより、QoQでは微減となったが、ニュースパス＋auサービスTodayのユーザー数は安定的な成長を見せている。

auサービスTodayのユーザーあたり収益性が2021年6月と比較し、15％の増加と堅調な推移を見せている。

sliceの主要KPIとなるAUMが圧倒的な成長を見せている。QoQにて70％の増加、YoYで比較すると700％と大幅な成長を達成している。

クレジットカードの月間発行枚数も2022年1月開示の20万枚/月間よりも大幅伸長しており、登録ユーザー数も1,200万＋（前回公表：700万＋ユーザー）と高成長を達成している。

投資事業のポートフォリオを見てみると、2022年5月時点での投資倍率は5.36となり、推定評価額（会社が独自に計算している推定評価額）＋売却額は25,741百万円となった。投資額も日本は880百万円、インドは3,924百万円となり、インドへの積極的投資を継続して行っている。

グノシーはマクロ環境の不透明さを踏まえ、2021年1月時点での規模拡大を重視した積極的な投資方針から、利益確保を重視し、広告宣伝投資を抑制した方針に変更することを発表した。その為、Q2で開示した中期経営計画との差分が生じている。Gunosy Adsは▲4.6億円、Game8は既存スマホタイトルの減衰、海外事業のボラティリティが要因となり、▲2.2億円の差分が生じた。合計では▲6.7億円の差が生じることとなる。2024年5月には当初中計目標の達成を目指す方針だ。

グノシーは2023年5月期の通期業績予想を発表した。売上高はYoYにて増収を計画、営業利益は51.5％の減益を計画値として発表。sliceは持分法投資損益では赤字取込の想定だが、sliceの資金調達ラウンド実行に伴い、特別利益を計上する予定。その為、当期純利益はYoYにて320.5％増の547百万円を予定している。