今日はよろしくお願いします。好調な決算となりましたね。
ティッカーくん
そうですね、中期経営計画も上方修正の発表をすることができました。
KPIやM&A、株主還元に関する考え方についてもぜひ伺わせてください。
ティッカーくん
はい、よろしくお願いします。
※個人投資家から事前に募った質問もございます。
目次
Q1
今回の決算発表のポイントを教えてください。
Q2
Q4は人材採用体制の強化/営業DXの強化のために成長投資を行われていますが、具体的な投資内容を教えてください。
Q3
KPIとして開示されている4指標の改善要因を詳しく教えてください。
Q4
中期経営計画を上方修正した背景は?
Q5
M&Aによる成長についての戦略を詳しく教えてください。
Q6
株主還元として配当性向30%とROE10%を掲げている理由は?また、M&Aに伴うROEへの影響は?
Q7
2022年4月より実施された東証市場再編に伴い、プライム上場企業にはこれまでよりも高いガバナンスが求められるようになりましたが、ビジネス機会の拡大への影響は?
Q8
上場して約1年経過しましたが、事業環境や社内の雰囲気などの変化は?
Q9
なにか個人投資家に伝えたいポイントは?
今回の決算発表のポイントを教えてください。
今回はFY2021の好調な着地に加え、FY2022-2024の売上・利益成長を定めた新中期経営計画、また自社株買いを含めた新しい株主還元政策を発表しています。決算発表後の5/27には大規模な自己株式取得も発表し、更なる事業実績を積み上げながら、投資家の皆さまとの対話を加速させたいと考えています。
Q4は人材採用体制の強化/営業DXの強化のために成長投資を行われていますが、具体的な投資内容を教えてください。
人材採用体制の強化はFY2022以降の中期経営計画を見据えたもので、現在約100人いる連結営業人員をトップライン同様10%純増させる計画です。具体的には、外部の業務委託を活用した採用の専門チームを立ち上げ、特に第二新卒や中途のフロント人員の採用を加速させています。また、エージェントリレーションやダイレクトリクルーティングなど獲得チャネルを多様化して強化しています。 営業DXについては、より効果的にお客様の課題解決に繋がるような営業体制を構築するための投資を行いました。2年前のコロナ禍を発端に弊社のサービス提供体制もオンライン化しており、業務プロセスの見直し・SFAの活用などによって、お客様毎のアカウントプランの効率的な作成・チーム間の類似案件ナレッジ共有などを実現しています。
KPIとして開示されている4指標の改善要因を詳しく教えてください。
上位150社の1社あたり平均売上高:コーポレートガバナンスで想定されている、次世代経営人材の発掘は、社外取締役からの健全なプレッシャーのもと益々自社らしい候補を見つけていく説明責任が増していき、それに合わせて予算を拡大されている企業が多いところが好調要因と考えます。 経営塾実施者数:経営塾は「次世代の経営幹部」を対象に発掘する仕組みですが、「現経営陣」が抱えている課題に対する経営メンタリングも同じ経営幹部向けサービスとして好調であり、アフターコロナを見据えた時間軸で経営人材発掘に先行投資する企業が戻ってきています。 人事部以外の取引数:顧客側の事業部内で人事機能を作る動き(=HRBP、Human Resource Business Partners)が大企業では顕著です。HRBPは事業と人・組織の課題を密接に結びつけて日々活動しているため、セルムのビジネスと非常に相性がよく、ここを起点に事業部との取引が増えています。 準大手顧客数:準大手顧客市場は我々にとって新規に開拓しているマーケットです。昨年の56社から67社へと新規顧客の獲得が進んでいます。このマーケットの特長は、大手企業より限られた経営人材候補者を対象に、サクセッションプラン、個別の役員毎の経営課題、人事部機能そのものの強化を目的とした支援を、全て包括的にセルムでと依頼されるケースも多く、トータルで顧客を支援する方程式が確立できつつある領域です。
中期経営計画を上方修正した背景は?
外部要因と内部要因の両面があると考えています。外部トレンドで言えば、昨年のコーポレートガバナンスコードの改訂で経営人材育成プロセスの構築がもはや大企業において課題意識が高まっている点、また昨今の人的資本の積極開示を促進する現政権の姿勢が追い風になっています。内部的には、準大手顧客・大手顧客に対する個社毎の営業戦略が功を奏し、より生産性の高いフロントチームで効果的に顧客企業へ提案できているところが大きいと感じています。
M&Aによる成長についての戦略を詳しく教えてください。
M&A戦略としては大きく3つです。ひとつが非人事領域への進出で、我々の既存事業の対面窓口が人事部のお客様となることが多く、これ以外の企業内での接点を増やすことでクロスセルを実現したいと考えています。二つ目がスタートアップや中小企業へのアクセスで、現在の大企業を中心にした顧客ポートフォリオだけでなく、より規模感が小さい顧客にもしっかり価値を届けられる事業を作りたいと考えています。最後に弊社事業そのものをテクノロジープラットフォームへ飛翔させるような、テックカンパニーの買収です。テクノロジーを駆使して1,400名超のタレントと顧客企業のナレッジを事業化できればと考えており、そこを加速させるようなM&Aを意図しています。
株主還元として配当性向30%とROE10%を掲げている理由は?また、M&Aに伴うROEへの影響は?
M&Aと自社株とセットの位置づけで配当を掲げています。その際、これまで具体的な参考基準を数値化していなかったので、単独指標ではなく資本効率としてROE、利益の還元度合いを示す配当性向の両面から判断したいと考えています。なお、EPSやROEを損なうような高値掴みのM&AをすることはこのROEを高める原則に逆らうことになるため、一定の規律を持ちたいと考えています。
2022年4月より実施された東証市場再編に伴い、プライム上場企業にはこれまでよりも高いガバナンスが求められるようになりましたが、ビジネス機会の拡大への影響は?
ここがメインで拡大しています。特に弊社は日本にある売上1兆円超の上場企業(約140社)の過半と取引関係を持っており、ガバナンス強化から派生する次世代経営人材に関する取り組みが増えています。また、この追い風は今後も強く続くトレンドだと考えています。
上場して約1年経過しましたが、事業環境や社内の雰囲気などの変化は?
採用体制の強化を実施し、これまでであれば採用できなかったような様々なバックグラウンドを持つ仲間が加わっております。これまでであれば同業他社からのリクルーティングも多かった弊社ですが、業界未経験でも大企業アカウントをしっかり任せられるような営業も加入し始めており、多種多様なチーム構成で社内が活気づいている現状です。
なにか個人投資家に伝えたいポイントは?
今回、意欲的な中期経営計画の上方修正や自己株式取得を含む株主還元政策を発表することができたと思っています。重要なのはその方針に基づいていかにセルムとして継続的にアクションし、投資家の皆様に説明責任を果たしていくかだと考えております。特にM&Aや資本的な取り組みは発表の都度、単発で終わらせるものではなく、今後も複数の資本的な仕掛けを展開したいと思っておりますので、日々成長するセルムにぜひご期待ください。