本日はよろしくお願いします。テレビCMの効果がよく現れた決算でしたね。
ティッカーくん
よろしくお願いします。ROIも過去最高で、順調な滑り出しと捉えています。
順調な法律相談についても、ぜひ詳しく聞かせていただきたいです。
ティッカーくん
はい、よろしくお願いします。
※個人投資家から事前に募った質問もございます。
目次
Q1
今回の決算発表のポイントを教えてください。
Q2
テレビCMの効果が表れる時間軸と広告活動の評価について教えてください。
Q3
テレビCMのROIが低下した場合、投資を継続しますか?
Q4
テレビCMへの投下を、投資家が正しく評価できていないと感じることはありますか。
Q5
手数料水準を維持したままビジネス層ユーザーのシェアを獲得することは可能でしょうか。
Q6
後発の出品者でも購入者を見つけられるのでしょうか。
Q7
投資家はテイクレートの上昇を評価できていますか。また今後テイクレートが下がる要因はありますか。
Q8
個人投資家向けのIR発信に力を入れている背景は?
Q9
コロナ禍と言われ約2年が経ちましたが、社内の雰囲気など何か変化はありましたか?
Q10
法律相談の指標が全体的に伸び率が良い印象ですが、背景を教えてください。
今回の決算発表のポイントを教えてください。
今期は通期にわたってテレビCMに10億円以上の投資をしていきます。今回の決算はその最初の四半期ということで、CMの効果がどのように業績に出てきたかが、一番のポイントかと思っています。テレビCMを行わなかった場合、当社のオーガニックでの流通高の成長は前年比30%程であるとメッセージを出していましたが、今回は流通高+36%、営業収益+44%という伸びになっているため、想定していたプラス効果が業績に反映されたと思っています。
テレビCMの効果が表れる時間軸と広告活動の評価について教えてください。
先述のとおりテレビCMは回収期間として3年間を置いていますが、効果は3年間をかけて継続的に出てくると考えています。というのも、テレビCMの効果はCMを開始した直後の購入数:「直接効果」と、CMを行わなかった時と行わなかった時の購入トレンド角度の差分:「間接効果」とに分けて評価しており、間接効果は数年スパンの長い期間をかけて寄与してくるためです。一気に数十%伸びるようなことはないですが、1年間に一桁ポイント後半程度の押し上げ効果はあると考えています。
なお、期初のガイダンスでは営業収益の伸び率を+33%~40%というレンジで開示しておりますが、+33%というのはテレビCMを行ってもあまり効果が出なかった場合の保守的に見た水準です。一方+40%はCM効果も含めて事業が好調に推移しているという水準ですが、第一四半期は営業収益で+44%なので、短期的に見ても順調に広告効果が表れていると捉えています。
テレビCMのROIが低下した場合、投資を継続しますか?
当社では、元々ユニットエコノミクス:「いくら投資をしたら、どのくらいの期間で回収できるか」をシミュレーションしながら投資をしています。しかし、「回収見込みがない」「回収に時間がかかりそう」といった見立て違いが発生したときには、必要に応じてチューニングしたり、元々想定していた額から投資を減らしたりすることはあり得ます。もしテレビCMよりもユニットエコノミクスが良さそうな投資先が見つかった場合は、そちらに資金を振り向けることもあり得ると考えています。
テレビCMへの投下を、投資家が正しく評価できていないと感じることはありますか。
欧米と日本の市場の違い、効果の現れる時間軸などでギャップが生まれ、正しく評価されていないと感じることはあります。
まず一点目ですが、欧米では一般的にテレビのチャンネル数は非常に多く、視聴者が分散しているため広告メディアとしてあまり高い価値を持っていません、海外の機関投資家の方は、そもそもテレビCMに投資することに対して懐疑的な方も多いです。
日本の場合は、様々な企業によってスマホゲームなどのCMが実際に打たれており、これは確かな効果があるということの一つの証左だと考えています。 二点目については、もっと短期的に業績に効果が表れると思っている方、大量に投資している割にはあまり購入数が伸びていないという評価をされる方もいます。しかし、過去3,4回テレビCMを打った際には、じわじわと中長期的にリターンとして成長に返ってくるという動きをしており、今回も想定通りかそれ以上の推移で進捗していますが、どうしても時間軸に起因する評価のギャップはあるかなと思います。
テレビCMに投下する戦略が優れている、効果もちゃんと出ているという評価をしてくださる方もいますが、一方で「テレビCMへの投資による赤字がいつまで続くかを明言していない」「ちゃんと黒字が見えてくる会社なのか、この赤字を掘り続けるのではないか」という懸念がマイナス評価となっており、株価の下押し圧力になっているという認識もしています。
手数料水準を維持したままビジネス層ユーザーのシェアを獲得することは可能でしょうか。
手数料の変更は現時点では考えていません。手数料がシェア獲得の足を引っ張るほどのネックにはなっていないと考えているためです。なぜなら、リアルの会社同士で行われる通常の取引単価と比べて、ココナラの単価は圧倒的に安い価格帯になっているためです。5%の手数料は、単価の差に比べると僅少であるため、影響はないと考えています。
後発の出品者でも購入者を見つけられるのでしょうか。
新しい出品者でも上位に表示されるようなアルゴリズムを組むことや、小カテゴリ数を約210から約450へ増やしたことで各小カテゴリにおける上位表示サービスの数が全体では増えるようにするなどの施策を導入していますが、実績がないと上位に表示されていてもなかなか購入されづらいので、後発の出品者に厳しい状況であることは事実かと思います。新しい出品者でもチャンスを得ることができるよう、出品サービスが上位表示できるような出品者向け広告を新機能として検討しております。
投資家はテイクレートの上昇を評価できていますか。また今後テイクレートが下がる要因はありますか。
投資家の方にはテイクレートの上昇は評価して頂いていると思います。テイクレートが上がった要因は、ご質問頂いた通り一律25%に変更したことで、高単価取引の手数料割引がなくなったことが原因ですが、今後は緩やかに25%に近づく形で下がる見通しです。その背景として、ココナラでは、①テキストでのやりとり②ビデオチャット③電話相談の形式が選べますが、電話相談に関してはテイクレートが50%という設定で、その他25%の取引とのミックスにより、全体で25%より高い状態にあります。今後はテイクレート25%であるビジネス系の比率が上がっていくので、中長期的にテイクレートが緩やかに下がっていくトレンドになります、というのが回答です。
電話相談のテイクレートが高いのは、通信費の負担等もあり電話相談の業界では60-70%のテイクレート設定が一般的であるなか、ココナラは後発なのでそれよりも低い水準で設定したというのが背景です。
ちなみに、先ほどの出品者向け広告は直接営業収益に入るため、テイクレートの改善には貢献すると思いますが、インパクトは現時点では未知数です。
個人投資家向けのIR発信に力を入れている背景は?
IR発信には機関投資家向けのものと個人投資家向けのものがありますが、当社はIPO以前から機関投資家との1on1ミーティングを多く実施し、継続的にコミュニケーションできており、株主構成も過半数が機関投資家です。一方、個人投資家比率は20%を切っており、大多数の株数が固定化されてしまっています。機関投資家が売買しやすいよう、個人投資家向けにもきちんとIR発信をして売買を活発化し、日々の出来高を作っていくことが大事だと考えています。
コロナ禍と言われ約2年が経ちましたが、社内の雰囲気など何か変化はありましたか?
メンバーが若くIT関係の会社ということもあって特に不都合もなく、一気にリモート体制にシフトすることができました。一方で、グループ毎に週2日間、出社曜日を設定するなど、対面でのコミュニケーションも意識的に行なっています。業績的にもマイナス影響が特になかったため、会社としてうまくコロナに適応できたと思っています。なお、コロナ禍においても採用を進めており、2年前と比較すると社員数は100人近く増え、約2倍になっています。
法律相談の指標が全体的に伸び率が良い印象ですが、背景を教えてください。
伸びている背景としては、当社が競合よりもSEOが強い点にあります。SEOが強いため、競合他社とココナラ法律相談の併用や、競合からココナラ法律相談へのスイッチなどが構造的に起きやすい状況です。また、そのような安定した状況を背景として、業務委託の営業人員を一気に増やしたこともあり順調に業績が伸びています。法律相談は、投資家からの注目度も高いです。