日本特殊陶業株式会社は、1936年創立し、86年続く歴史の深い企業であり、スパークプラグ、セラミックス製品などを製造するメーカーである。主力製品であるスパークプラグは、主に自動車エンジンなどの内燃機関において使用され、世界シェアNO.1となっている。
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目次
01.
日本特殊陶業の企業沿革
02.
日本特殊陶業の事業ポートフォリオ
03.
プラグ事業のビジネスモデル
04.
センサ事業のビジネスモデル
05.
セラミック事業のビジネスモデル
06.
今後の成長の軸
07.
日本特殊陶業の主な経営指標
08.
新規事業の取り組み
09.
日本特殊陶業の業績情報
010.
日本特殊陶業のミッション
日本特殊陶業の企業沿革
森村グループの1社として1936年に株式会社日本特殊陶業を創業。自動車エンジンなどに利用されるスパークプラグの生産を祖業とし、現在は世界NO.1の地位を確立している。1949年よりセラミックの製造にも進出し、産業機器や医療機器などの振動子、超音波センサなどに同社製品は活用されている。その後工具向けのセラミックバイト、半導体パッケージ基盤、など当社の技術力を生かし様々な事業領域へと挑戦を続けている。2007年には燃料電池発電システムの開発も開始し、水素社会の到来に向けて日々技術革新に取り組み続けている。
日本特殊陶業の事業ポートフォリオ
祖業であるプラグ事業を基盤に、センサやセラミックなど事業ポートフォリオを拡大。特にスパークプラグや排ガスセンサは世界トップクラスのシェアを有している。近年は燃料電池発電システムや全固体電池の研究開発など新規事業領域への強化も積極的に取り組んでいる。
海外売上比率は83%と高い技術力を武器に、全世界で事業展開をしている。
売上の半数以上は祖業であるプラグ事業が占めている。 今後は内燃機関中心の事業ポートフォリオから、非内燃機関中心の事業ポートフォリオへの転換を目指している。
プラグ事業のビジネスモデル
プラグ事業の主力製品であるスパークプラグは、主に自動車エンジンなどの内燃機関において使用され、世界シェアNO.1となっている。売上の27%を占める新車組み付け用製品と73%を占める補修用製品に分かれ、グローバルの自動車生産台数の拡大に加え、アフターマーケットの活発化により需要が拡大する事業構造となっている。製品にはニッケルを利用した一般プラグに加え、イリジウムや白金などの貴金属を利用したハイエンド製品をラインアップしている。そのため、貴金属市況の価格変動による原材料価格の影響には注意が必要といえる。また、燃費性能や耐久性の高いハイエンド製品の拡販による売上拡大も期待される事業である。
センサ事業のビジネスモデル
センサ事業は自動車などに使用される排ガスセンサが主力製品であり、世界シェアトップクラスである。世界的に厳しくなる排ガス規制に必要な当社製品は今後も需要拡大が期待される領域といえる。
セラミック事業のビジネスモデル
セラミック事業は半導体製造装置用部品、医療関連機器などを製造している。当社の高い技術力を活用し、様々な成長分野へ進出しており、今後も高い成長が期待される事業領域である。
今後の成長の軸
内燃機関事業を中心とした既存事業とSPEや燃料電池事業などの新規事業との両輪での成長が中期経営計画の基本方針となっている。ROICを意識した経営方針に則り積極的な事業ポートフォリオ転換を行い、今後も稼ぐ力のさらなる強化や持続的な成長を目指している。
日本特殊陶業の主な経営指標
ROE13%、ROIC10%の目標達成に向けて、コスト改善、資本効率を意識した経営に取り組んでいる。また、内燃機関中心の事業ポートフォリオから非内燃機関中心の事業ポートフォリオへと転換していく方針である。
新規事業の取り組み
新規事業として燃料電池事業(SOFC)に取り組んでいる。量産化もスタートし、今後の収益の柱となることが期待されている。
日本特殊陶業の業績情報
2023年3月期第1四半期決算では、補修用プラグ関連の販売好調などによりYonYで売上15.7%増、営業利益59.7%増となった。
日本特殊陶業のミッション
情報提供:日本特殊陶業株式会社
総括
主要事業であるプラグ事業のスパークプラグは世界No.1のシェア率を誇っています。そのプラグ事業を主軸にセンサやセラミック事業を第2、第3の柱として企業の成長を支えています。さらなる研究開発や新規事業への取り組みも積極的に行っており、今後の成長速度の加速も期待できる企業です。