シナネンホールディングスは1月31日、2022年3月期第3四半期決算(2021年4月〜2021年12月)を発表した。売上高は1,827億円(前年同期は1,389億円)、営業利益は6.0億円(前年同期は16億円)だった。なお、当1Qより「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、同基準適用前の実績では、前年比37.1%増の1,905億円、営業利益は56.9%減の6.9億円だった。
※個人投資家から事前に募った質問もございます。
目次
01.
2022年3月期第3四半期決算内容
02.
当期より収益認識基準を適用
03.
原油価格の高騰で販売単価が上昇し増収
04.
非エネルギー事業も増収。好調に推移
05.
ガス・石油類の売上数量は前期並み
06.
シェアサイクル事業好調。各種KPIも過去最高を更新
07.
顧客向けポイントモールの構築を発表
08.
FY21通期予想比:減益の予想を据え置き
09.
シナネンホールディングス通期決算のまとめ
2022年3月期第3四半期決算内容
当期より収益認識基準を適用
同社は、FY21より、「収益認識に関する会計基準」を適用。検針日と月末のズレが収益に影響し、四半期ごとで見ると大きなプラスマイナスが生じるが、通期では大きな影響はなくなる見込み。
原油価格の高騰で販売単価が上昇し増収
原油やプロパンガスの価格が高騰したことからBtoB/BtoC事業で販売単価が上昇し、収益認識基準適用前の売上高はYoY37.1%増と大幅増収。一方で、投資強化とBtoB事業の反動減により、利益は各項目で減益となった。なお、同社の業績は下期(特にQ4)に利益が偏る傾向にある点に注意。これは、冬にLPガス・灯油の消費量が増えることによるもの。
非エネルギー事業も増収。好調に推移
セグメント別では、ステーション数の増加で利用が順調に伸びたシェアサイクル事業に加え、医療施設の感染消毒清掃が好調な建物維持管理事業が牽引し、BtoC/BtoB事業だけでなく非エネルギー事業も増収となっている。
ガス・石油類の売上数量は前期並み
BtoB/BtoC事業の主力商材であるガス・石油類の売上数量は、概ね前期並みの推移となっている。
シェアサイクル事業好調。各種KPIも過去最高を更新
シェアサイクル事業は、ステーション数等の増加で利用が伸び売上高が順調に推移。運営の効率化により赤字幅も縮小し、ユーザー数・利用回数などの各種KPIも過去最高を更新中。来期以降の黒字化が視野に入ってきている。
顧客向けポイントモールの構築を発表
顧客向けポイントモールの構築を発表。中央電力・GMOメディアと3社共同で開発・運用を行っていく。会員数100万人に向けて同業や異業種の他社などを巻き込みながら各種キャンペーンを展開していく予定。
FY21通期予想比:減益の予想を据え置き
引き続き新規事業やITへの投資など経営基盤の整備を進めるため、減益の通期予想は据え置き。予想に対する利益面の進度は緩やかに見えるが、上記の通り同社は季節変動の影響が大きく、利益はQ4に大きく偏重するビジネスモデル。また、収益認識基準適用の影響は通期合算ではほぼなくなる見込み。