完全栄養の主食を中心としたBASE FOODシリーズを提供するベースフード株式会社が2022年11月15日、東証グロース市場への上場が決定しました。新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)の内容を紐解き、IPOの概要やビジネスモデルを図解とともにわかりやすく紹介していきます。
※個人投資家から事前に募った質問もございます。
目次
01.
ベースフード株式会社 IPO概要
02.
ベースフードの沿革
03.
ベースフードの業績推移
04.
完全栄養のBASE FOODシリーズを展開
05.
3つの販売チャネル
06.
自社ECでのサブスク会員数は13.7万人を突破
07.
卸販売の展開実店舗数は1.7万店舗超え
08.
特徴:ファブレスで工場を持たずに生産
09.
市場規模は約4,900億円
010.
今後の成長
ベースフード株式会社 IPO概要
ベースフード株式会社(英:BASE FOOD, Inc.)は、2022年10月12日に上場承認され、同年11月15日に上場予定。
IPOでの公募株式数は2,723,100株、売出株式数は3,684,200株(オーバーアロットメントによる売出961,000株)となっている。
なお、公募価格は1株800円、引受価格は736円となっている。
ベースフードの沿革
2016年4月にベースフード株式会社を設立。2019年3月に現在の主力商品である完全栄養のパン「BASE BREAD」を発売開始。
2020年11月に薬局にて「BASE BREAD」の店頭販売を開始し、その後2021年には都内のジムや関東のコンビニエンスストアでも販売を開始。2022年6月にはシリーズ累計販売数5,000万袋を達成している。
ベースフードの業績推移
直近の2022年2月期決算では売上高が前年比264%増の5,545百万円と大きく成長中。経常損益は5期連続赤字で、FY22では▲461百万円となっている。
完全栄養のBASE FOODシリーズを展開
完全栄養の主食を中心としたBASE FOODシリーズ(「BASE PASTA」・「BASE BREAD」・「BASE Cookies」)の開発と販売を行なっている。低脂質、低糖質、低塩分で、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど1日に必要な約30種類の栄養素が含まれ、必要な栄養素がバランスよく摂れる点が特徴。
3つの販売チャネル
❶サブスクリプション型の定期販売を含む自社ECでの直接販売、❷Amazonや楽天などの大手モールをはじめとした他社ECを経由してのセット販売、❸コンビニやスポーツジムなど実店舗での卸販売の3つのチャネルで商品を販売。
自社ECでのサブスク会員数は13.7万人を突破
2022年8月時点での自社ECにおけるサブスクリプション会員数は137,620人、顧客継続率は93.2%となっている。2022年2月期実績では、自社ECにおける売上高の69.2%は定期購入顧客から発生。
卸販売の展開実店舗数は1.7万店舗超え
卸販売においては、コンビニエンスストアやドラッグストアなどオフラインでの販売店舗が順調に拡大し、2022年8月時点で展開実店舗数は、17,878店舗(前事業年度末は、9,143店舗)まで拡大。全国の実店舗で買いたい時に1袋から手軽に購入することができるようになっており、オンラインでリーチできなかった顧客に対して、オフラインでの商品の認知および商品体験の拡大を行なっている。
特徴:ファブレスで工場を持たずに生産
商品製造については外部業者に委託しており、ファブレスメーカーとして商品の開発と販売に特化。製造工場への大きな設備投資を行っていない。
市場規模は約4,900億円
ベースフードののコアターゲットとなる市場規模は麺・パスタ、パン、Savory(スナック類)の国内市場規模である約3兆7,600億円に、2019年度の無糖茶飲料市場において特定保健用食品および機能性表示食品の許可を受けている茶系飲料が占める割合である約13%を掛けて、約4,900億円と推計。
今後の成長
今後の成長の軸としては❶BASE FOODシリーズのラインナップの拡充および改善、❷販売チャネルの拡充、の2点が主に挙げられる。
❶についてはこれまでに培ってきた開発と改善のノウハウを活かすとともに、今後はITやデジタルとテクノロジーを組み合わせた商品開発と改善を進めていく方針。それに伴い、AIによる配合計算や数理モデルによるシミュレーションや、ディープテックやフードテック、バイオテックなどを用いた商品開発に取り組むための多様なバックグラウンドを持つ人員の採用を強化するとされている。
❷の販売チャネルの拡充については、スポーツジムやドラッグストア、コンビニエンスストアなどの取り扱い店舗の拡大に加え、香港、中国など海外も含めた展開国・地域の拡大を予定している。
また、それらを支える製造委託先の拡充や、原材料の調達および価格変動への対応なども優先課題として挙げられている。
情報提供:ベースフード株式会社
総括
自社ECでのサブスクリプション売上を持つD2Cのファブレスメーカーとしての側面もありつつ、大手モールなどの他社EC、コンビニやジムなどの実店舗販売も伸びているようです。完全栄養食のBASE FOODシリーズの拡充や改善、さらには海外を含めた商圏拡大などで、今後の更なる活躍が楽しみな会社です。
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