【カオナビ本決算】継続して増収増益。通期業績予想を上回る数字で着地
カオナビは5月13日、2024年3月期通期決算(2023年4月〜2024年3月)を発表しました。それでは決算の内容を見ていきましょう。
※個人投資家から事前に募った質問もございます。
目次
01.
2024年3月期通期決算内容
02.
売上高は継続的に増収、調整後営業利益も堅調に推移
03.
各種KPIの進捗
04.
新機能のリリース
05.
新サービスのリリース
06.
通期業績予想に対する進捗
07.
2025年3月期業績予想
08.
個人投資家向け質問集
09.
決算のまとめ
2024年3月期通期決算内容
売上高はYoYで27.3%増の7,625百万円、調整後営業利益はYoYで71.7%増の814百万円となった。
売上高は継続的に増収、調整後営業利益も堅調に推移
ストック収益が大半の安定性の高いビジネスモデルのため、売上高は継続的な増収を達成している。収益性の向上により、調整後営業利益もYoYで堅調に増加している。
各種KPIの進捗
連結ARRは持続的かつ安定的に成長し、YoYで30.1%増の8,288百万円となった。
タレントマネジメントシステムの利用企業数は着実に増加し、YoYで20.2%増の3,677社となった。
タレントマネジメントシステムのARPUは、大企業など従業員数の多い顧客の増加を受けて、YoYで6.0%増の184千円となった。
プロダクトの機能強化とカスタマーサクセスの取り組みにより、タレントマネジメントシステムの解約率は0.42%と低水準で推移している。
新機能のリリース
社員のスキルなどを一元管理できるスキル管理機能として「アビリティマネージャー」をリリース。様々な視点で社員の能力を可視化し、人事評価や戦略的な人材配置、経営戦略などに活用できる。
また、日本企業に最適なジョブ型雇用の実現に向けて、ポジション要件とのマッチ度を数値で可視化し、適切な候補者をレコメンドする「ポジションマッチング」に、社内公募機能を追加。募集要項を登録して社内募集することで、適材適所と従業員のキャリア自律を促進する。
新サービスのリリース
新サービスとして、予実管理業務を支援する「ヨジツティクス」をリリース。損益計算書の勘定科目などの経営データをクラウドで一元化・可視化し、経営陣・経営企画・現場部門でリアルタイムに数字や状況を共有することで、早く正確な経営判断が可能になる。今後はカオナビの人材データベースと連携した要員計画の機能も追加予定。
さらに、今夏でのリリースを目指して、労務管理業務をペーパーレスで完結できる「カオナビ労務(仮称)」の開発を促進中。
通期業績予想に対する進捗
売上高は業績予想7,600百万円に対し実績7,625百万円(進捗率100.3%)で着地。調整後営業利益は業績予想765百万円に対し実績814百万円(進捗率106.4%)となった。
2025年3月期業績予想
2025年3月期は、既存事業の継続的な成長を見込み、売上高の予想を9,420~9,560百万円と発表。前期比+23.5~+25.4%の増加を見込んでいる。一方で調整後営業利益については、新規事業の立ち上がり状況に応じて機動的な投資判断が必要との観点から、具体的な金額予想は開示しない方針とした。
個人投資家向け質問集
お客さまをはじめとする関係者の皆さまに対し、多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。現在、漏えいした情報の事実確認を行っており、5月末を目途に再発防止策も含めた最終報告書を個人情報保護委員会に提出する予定です。
本件によるWST社の事業への影響として、これまでに複数件の解約(6社)が発生しております。当該6社の解約ARRはWST社全体のARRの5%強に相当します。現時点では限定的であるものの、引き続き解約動向などを注視するとともに業績への影響について精査を進め、今後開示すべき事項が発生した場合には速やかにお知らせいたします。
2024年3月期は期初に開発ロードマップを公表し、既存機能の改善や新規機能の開発に注力してきました。市場のニーズに沿った機能を着実にリリースしてきたことで、これまで以上にエンタープライズ企業の様々な要望に対応できるようになり、利用企業数の増加につながったと考えております。
2025年3月期においては、既存事業(タレントマネジメントシステム)のさらなる拡大に加えて、新規事業(労務管理システムや予実管理システム)の育成に取り組むことで、中期的なARR成長の加速を目指しております。
上記のとおり、新規事業の育成に注力する方針であることから、新規事業の立ち上がり状況に応じて機動的な投資判断が必要との観点から、調整後営業利益の具体的な金額予想は開示しておりません。